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金属の表面処理とは?主な表面処理の種類一覧・目的・方法を解説

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金属の表面処理とは?主な表面処理の種類一覧・目的・方法を解説

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金属の表面処理とは、金属の表面に加工を施すことで、素材自体の機能を向上させる技術です。
本記事では、脱脂、研磨、めっき、塗装といった表面処理の種類一覧やそれぞれの目的、特徴、方法などについて解説します。

金属の表面処理とは?

金属加工における表面処理とは、金属の表面に加工を施すことで、素材自体の機能を向上させる技術です。

「脱脂」「研磨」「めっき」「塗装」など様々な種類があり、自動車やアクセサリーなどの装飾品、スマートフォン、パソコンなど身近に存在する多くの製品に表面処理の技術が用いられています。

表面処理の目的は?

表面処理の目的は様々ありますが、
主に以下のような特性の向上・付与を目的として実施されます。

  • 外観性…材料に色や光沢などを与え、見栄えをよくします。
  • 耐食性…表面に保護膜を形成し、錆びにくくします。
  • 耐摩耗性…摩耗に強い表面をつくり、耐久性を向上します。
  • 摺動性…表面粗さを改善し、表面をすべりやすくします。
  • 電気伝導性・絶縁性…電気を通しやすく、または通しにくくします。
  • 熱伝導性・断熱性…熱を通しやすく、または通しにくくします。

目的や用途に応じて適切な処理を選ぶことが重要です。

表面処理の種類一覧

表面処理は、大別すると「除去加工」と「付加加工」に分類することができ、
除去加工は、主に「脱脂(洗浄)」「研磨」「酸洗い」「ブラスト」など、
付加加工は、「めっき」「塗装」「溶射」「アルマイト」「化成処理」などがあります。

主な表面処理の種類一覧と、各処理にて効果が期待できる特性をまとめた表を以下に示します。

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分類 表面処理 主な効果
除去加工 脱脂(洗浄) 表面の清浄化、後工程での密着性・耐久性の向上
研磨 外観品質、後工程での密着性の向上
酸洗い 外観性の向上と耐食性の回復
ブラスト 後工程での密着性の向上、表面残留応力付与による疲労強度の向上
付加加工 めっき 外観性・耐食性・耐摩耗性の向上と導電性の付与
アルマイト 外観性・耐食性・耐摩耗性の向上と絶縁性の付与(アルミ材)
化成処理 耐食性・外観性・後加工での密着性の向上
溶射 耐食性・耐摩耗性・導電性・絶縁性などの付与(被覆材の種類による)
塗装 耐食性・耐久性の向上と外観性の付与

除去加工

材料の不要な部分を除去し、目的の形状に仕上げることを「除去加工」といいます。
種類別にそれぞれの特徴、方法を見ていきましょう。

脱脂(洗浄)

金属表面に付着した油や汚れを除去する表面処理のことを「脱脂(洗浄)」といい、めっき、塗装などを行う前や、製品出荷前などに行われます。
脱脂を適切に行うことで、めっきや塗料の密着性、耐久性を大幅に向上させることができます。

脱脂については、以下の記事でも解説していますので併せてご確認ください。

関連記事│脱脂とは何ですか?金属表面の油はどのような方法で除去していますか?

アルカリ脱脂

アルカリ性の水溶液を用いて油脂や汚れを除去する方法です。
安価で環境負荷が少なく、洗浄力も高いというメリットから広く用いられています。

アルカリ脱脂には、材料を水溶液に浸けてアルカリと油脂の反応で洗浄する「アルカリ浸漬脱脂」と、
材料を浸漬した水溶液を電気分解し、発生したガスで洗浄する「アルカリ電解脱脂」の2種類があります。

溶剤脱脂

有機溶剤を用いて、油分を溶かして脱脂を行う方法です。
多量に付着している油の除去に適しており、洗浄力が高いというメリットがある一方で、環境への負荷が大きいというデメリットもあります。

研磨

研磨とは、材料の表面を磨いて、凹凸を除去することで表面を平滑にする処理のことです。

研磨

代表的な研磨方法として以下のようなものが挙げられます。

砥石研磨

砥石と材料を接触させて表面を磨く方法です。
高速回転する砥石に材料を押し当てる方法と、固定した砥石に材料を押し当てながら動かす方法があります。

バフ研磨

綿やフェルトで作られた研磨剤(バフ)を用いてステンレスの表面を滑らかに仕上げる方法です、
バフの目の粗さは、○○番などと数字で表記され、数字が大きいほど目が細かく、光沢のある仕上がりになります。

当社では、バフ研磨による表面仕上げにも対応しています。
ステンレスの表面仕上げや、表面粗さについては、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。

関連記事│ステンレスの表面仕上げにはどのようなものがありますか?(製品写真あり)

関連記事│表面粗さとは?粗さパラメータの種類とJIS規格の比較

ラップ研磨

ラップ盤と呼ばれる円盤状の台で加工物を挟み込み、砥粒を含んだ研磨剤を流し込んで表面を磨く方法です。
精度の高い平面度、平行度を出すことができるのが特徴です。

バレル研磨

バレルと呼ばれる樽状の容器のなかに、加工物や研磨石、コンパウンド(研磨剤)を入れ、バレルを回転させて磨く方法です。
一度に大量の材料を処理できるため、大量生産に向いているのが特徴です。

化学研磨

化学研磨液と呼ばれる溶液中に加工物を浸漬させて、光沢を出す方法です。複雑な形状のものでも研磨が可能という特徴があります。

酸洗い(さんあらい)

金属の表面に付いている酸化被膜(スケール)や錆びなどを、酸性の溶液に浸漬して除去する表面処理です。酸洗(さんせん)とも呼ばれます。

熱間圧延材のスケールや溶接部の変色の除去、めっきや塗装工程前の下処理として用いられます。表面を酸で溶かすため、表面が白くざらついた仕上げになります。また、ステンレス鋼においては、この処理により不働態被膜が再形成され、ステンレス本来の耐食性が復元します。

ステンレスの不働態については、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事│錆にくいステンレス鋼の種類と不働態、粒界腐食について

ブラスト

材料表面にさまざまな種類の粒子を高速で吹き付けて、表面に凹凸をつける表面処理のことです。
汚れや不純物の除去、塗装やめっきの密着性向上、疲労強度の向上などを目的として行われます。

ブラスト

代表的なブラストとして以下のものが挙げられます。
当社では、ブラスト処理で圧延ロールの表面に凹凸をつけ、それを圧延によって材料に転写させる「ダル仕上げ(梨地肌)」も可能です。

横にスクロールしてご覧いただけます。

種類 特徴
エアーブラスト 圧縮された空気を利用して、研磨剤の粒子を高速で吹き付ける方法であり、サンドブラストとも呼ばれます。
幅広い形状の製品に対応でき、微細な加工が可能という特徴があります。
ショットブラスト 回転する羽車の遠心力を利用して、研磨剤を飛ばす方法です。
短時間で一気に大量の材料を処理できるという特徴があります。
ウェットブラスト 水と研磨剤を混合させたものを圧縮された空気を利用して、材料に吹き付ける方法です
細かい研磨剤が使用でき、水を使用するため粉塵が飛びにくいという特徴があります。

付加加工

材料にほかの要素を加えて、特性を向上させる加工を「付加加工」といいます。
種類別にそれぞれの特徴、方法を見ていきましょう。

めっき

めっきとは、材料の表面に銅やニッケル、クロム、金といった金属の薄い被膜をつける表面処理です。
めっきを施す目的は、以下の3つに大別することができます。

  • 光沢や金属感を製品に与える「外観の向上」
  • 腐食や錆から製品を保護する「耐食性の向上」
  • 電性や耐熱性といった機能を製品に与える「機能性の向上」

 

また、めっきの手法も様々な種類がありますが、大きく分けて電解質水溶液を用いて行う「湿式めっき」と気体や真空中で行う「乾式めっき」に分けることができます。

各方式の手法や特徴など、めっきついては以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。

【簡単解説】めっきとは?種類や目的、方法、工程、金属皮膜について

めっきとは?めっきの分類や、目的、方法、工程などについて分かりやすく解説します。

アルマイト

アルマイトは、硫酸やシュウ酸などの溶液中にアルミニウムを浸し、陽極酸化(電気化学反応)により人工的に酸化被膜を生成させる表面処理です。

アルマイトを施す目的もめっきと同じく、以下の3つに大別することができます。

  • 着色による「外観の向上」
  • 食や錆から製品を保護する「耐食性の向上」
  • 絶縁性や硬さなどを向上させる「機能性の向上」

 

アルマイトの方法や特徴などについては、以下の記事にて詳しく解説しています。併せてお読みください。

アルマイトとは?原理やメリット・デメリット、めっきとの違いについて

アルマイトとは?アルマイトの原理や工程、メリット、デメリット、電気めっきとの違いなどについて解説します。

化成処理

化成処理とは、金属を溶液中に浸漬し、化学反応により金属の表面に被膜を形成する処理のことです。
耐食性の向上や外観の向上、塗装時の密着性向上などを目的として実施されます。

化成処理は、低コストで生産性が高いという特徴がありますが、生成される皮膜はそれほど厚くないため、めっきやアルマイトと比べると耐食性は劣ります。
代表的な化成処理として、「クロメート処理」「リン酸塩処理」「黒染め処理」「ジンケート処理」などが挙げられます。

クロメート処理

材料をクロム酸に浸し、クロメート被膜とよばれる膜を金属に生成する処理のことです。主に、亜鉛めっきをした材料に施される処理であり、クロメート処理をすることで耐食性を大幅に向上させることができます。

リン酸塩処理

材料をリン酸塩溶液に浸し、リン酸塩被膜を金属に生成する処理のことです。
防錆を目的として行われるほか、材料と塗膜の密着性向上を目的とした塗装下地として広く用いられている処理です。

黒染め処理

アルカリ水溶液中に材料を浸し、材料表面に四三酸化鉄の黒錆被膜を形成する処理です。
耐食性や耐摩耗性の向上に加え、黒く染めることによる外観性の向上、光の反射防止などを目的として実施されます。
黒染め処理

ジンケート処理

亜鉛置換処理とも呼ばれており、アルミニウムの酸化被膜を除去し亜鉛の被膜を形成する処理です。一般的に、めっきの密着性向上を目的にアルミ材へのめっき前処理として実施され、ジンケート処理を2回繰り返して行う「ダブルジンケート」が主流となっています。

溶射

溶射とは、溶射材と呼ばれる材料を軟化・溶融させて基材に吹き付け、被膜を生成する表面処理のことであり、耐食性の向上や耐摩耗性、絶縁性といった機能性の向上を目的に行われます。

溶射

溶射については、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。

溶射とは? 溶射の原理や種類、メリット・デメリット

低温溶射(コールドスプレー法:CS)の原理は?メリット、デメリット、加熱して吹き付ける溶射との違いも解説しています

塗装

金属材料の表面を塗料で塗る表面処理のことであり、耐食性、耐久性の向上や着色による外観の向上などを目的に実施されます。


塗装

塗装の方法は様々あり、代表的なものとして以下のものが挙げられます。

横にスクロールしてご覧いただけます。

種類 特徴
溶剤塗装 シンナーなどの有機溶剤を混ぜた塗料を用い、主にエアスプレーにて塗装を行います。
耐久性、耐摩耗性に優れており、最も一般的な塗装方法です。
電着塗装 電気塗料が入った液体に材料を入れて、電気を流すことにより塗装を行う方法です。
大量生産が可能であり、複雑な形状のものでも均一に膜厚を形成できるという特徴があります。
静電塗装 粉末状の塗料粒子にマイナス極、塗装物にプラス極の静電気を帯電させ、高電圧をかけることで塗料を付着させる方法です。
比較的均一な塗膜が得られやすく、塗料の飛散が少ないという特徴があります。
焼付塗装 材料表面に塗装を行ったあと、乾燥炉に材料をいれて高温で加熱し硬化させる方法です。自然乾燥に比べて塗膜が強固になり、高い耐久性を得られるという特徴があります。
当社には、焼付塗装によりコイル材(フープ材)表面に機能性樹脂をコートしたOVIONEコートが製造できます。

表面処理技術を用いた当社取扱い材料のご紹介

当社では、表面処理技術を用いて金属材料にさまざまな付加機能を持たせた製品を取り扱っておりますので、その一部をご紹介いたします。

めっき加工

当社では、フープ材(コイル、帯)への「めっき加工」を承っているほか、
予備はんだとして利用されることが多い「溶融はんだめっき」や
めっき後に圧延及び熱処理を施し通常のめっき材より密着性を向上させた「めっき圧延加工材」を取扱っております。

詳しい情報はこちらから

対応可能なめっきの種類、製造範囲、形状などの詳細は以下のページをご覧ください。

めっき加工

溶融はんだめっき

めっき圧延加工材

 

OVIONE®コート (機能性塗装鋼帯)

OVIONEコートは、帯状の金属材料に樹脂を焼付け塗装した材料です。

OVIONEコートの特徴
  • 金属材料に、樹脂が持つ絶縁性・摺動性・遮光性などの機能を付与可能
  • ベース金属と樹脂塗装が一体化しているため、加工後の塗装が不要
    工程短縮コスト削減といった効果が期待できます
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低温溶射(コールドスプレー法)によるクラッド材│CSクラッド

CSクラッドは、低温溶射(CS:コールドスプレー)の技術を用い、基材に被膜を形成させるクラッド材です。

CSクラッドの特徴
  • 金属と非金属材料(樹脂・セラミックスなど)の直接接合が可能!
  • コイル材にもCSクラッドできるから、圧延やプレスなどの二次加工も可能!
  • 部品1個、板1枚からの極小ロットで製造可能!
CSクラッド
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この記事を書いた人

TOKKIN技術コラム編集部

精密金属材料メーカーとして80年以上の実績を持つ特殊金属エクセルが運営。
長年培った知見や日々寄せられるお客様からのご相談を元に、技術開発と営業が連携してお客様の疑問や課題解決に役立つ情報を発信しています。​

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