
曲げ加工の基礎知識│曲げの種類と発生しやすい不具合、その対策について解説
脱脂とは、金属表面に付着した加工油や汚れを取り除くための表面処理です。
当社では、冷間圧延工程で使用した圧延油を出荷前に除去するほか、めっきや樹脂塗装などの表面加工を行う前の洗浄工程としても脱脂を実施しています。
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ここで、当社でも使用している圧延油などの加工油について、簡単に説明します。
金属加工では、金属材料と工具の摩擦によって熱や摩耗が発生し、加工精度や工具寿命に悪影響を与えます。
これを防ぐために使用されるのが加工油です。 加工油は、製品の品質向上と加工効率の改善に欠かせない存在であり、用途に応じて圧延油、切削油、プレス油、熱処理油などと呼ばれ、それぞれの用途にあった成分や粘度などに調整されています。
加工油の主な役割には以下のようなものがあります。
ここでは当社の冷間圧延で使用する圧延油の役割について説明します。
冷間圧延は、室温中で上下2本のロールの間に材料を通し、ロールに圧力を掛けながら板厚を薄く延ばす(塑性変形)工程です。
この工程では、ロールと材料の摩擦や材料の塑性変形により摩耗や熱が発生しますので、以下のような目的で圧延油が使用されます。

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上述の通り、加工油には防錆の役割もありますので、材質によっては脱脂をせずに、表面に油を残したまま製品化されるものもあります。
※使用条件(保管場所、期間、季節など)によっては、製品切断後、追加で油浸漬(当社では「テンプラ」と呼んでいます)する場合があります。
※例外の鋼種や寸法・調質によっては脱脂ができない場合がありますので、詳細はお問い合わせください。

当社の脱脂には、大きく以下の2通りの方法があります。
鋼種や板厚、硬さなどの仕様によって、当社にて最適な脱脂方法を選定しておりますが、いずれの方法も材料表面の残油量やその他の特性に変わりはありませんのでご安心ください。
※表面に圧延油が残存していても問題ない場合は、油付きでの納品も可能です。
(納期やコスト面で削減が可能な場合があります)
当社では、お客様の使用環境や加工方法に合わせて、材料のスペックだけでなく、脱脂の有無や梱包方法など細かなご要望にも柔軟に対応しています。
ご希望がございましたら、お見積りの際に営業担当までお気軽にお申し付けください。
お取引きの流れはこちらをご参考ください。
精密金属材料メーカーとして80年以上の実績を持つ特殊金属エクセルが運営。
長年培った知見や日々寄せられるお客様からのご相談を元に、技術開発と営業が連携してお客様の疑問や課題解決に役立つ情報を発信しています。
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