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ステンレス鋼

     ステンレス鋼簡略マップ     特性について   

 ステンレス鋼簡略マップ

オーステナイト系(SUS304など)、フェライト系(SUS430など)、マルテンサイト系(SUS420J2など)、析出硬化系(SUS631など)を系統図で図示してあります。

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ステンレスについての全般的な特性をご覧になりたい方は、図の下の目次よりお進みください。

 

鋼種名をクリックしてください

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 特性について(目次)

1. 特徴

1.1 各鋼種の特徴一覧

1.2 系統による加工性の違い

2. 仕上

2.1 各仕上の概要

2.2 表面肌に関する仕上

3. 熱処理

3.1 焼鈍条件

 

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1.1 各鋼種の特性一覧

系統

分類

鋼種

詳細

オーステナイト系

バネ用

ステンレス鋼

SUS301

(JIS G 4305)

(JIS G 4313)

18-8ステンレスのクロムとニッケルを低めた17-7型のステンレスです。

オーステナイトが不安定なため、冷間加工によってマルテンサイト変態が起こり、加工硬化に伴う磁性の増加もオーステナイト系ステンレス鋼中最大です。

 

⇒ 化学成分、機械的性質は詳細ページへ

SUS304

(JIS G 4305)

(JIS G 4313)

いわゆる18-8ステンレスと呼ばれる代表的な鋼種で、オーステナイト系中最もよく使用されています。

 

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SUS304L

(JIS G 4305)

SUS304に比べ炭素量が低く、特に粒界腐食に対する抵抗性が優れています。また焼鈍状態の硬度が低く、加工硬化性が小さいので深絞り加工にも適しています。

 

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非磁性

ステンレス鋼

305M

SUS305

(JIS G 4305)

オーステナイト系は固溶化熱処理状態では非磁性で冷間加工で磁性を帯びるようになりますが、305Mはこの傾向を抑えるようにした非磁性ステンレス鋼です。

 

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高耐食性

ステンレス鋼

SUS316

(JIS G 4305)

Ni増加、Mo添加されているため耐食性がいい材料になります。

絞り用途目的に多く使われますが、C量が低くNi量が多いため焼鈍状態の硬度が低く加工硬化性が少ないのが特徴です。

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SUS316L

(JIS G 4305)

SUS316よりもカーボン量を抑え絞り性を向上させた材質です。

 

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析出硬化系

析出硬化系

ステンレス鋼

SUS631

(JIS G 4305)

(JIS G 4313)

18-8ステンレスの優れた性能を保持しながら、熱処理によって強度を高めることができる析出硬化型の最も代表的な鋼種です。

 

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SUS632J1

(JIS G 4313)

SUS631固溶化熱処理状態では軟らかく種々の加工ができる反面、これを硬化させる中間硬化処理が必要です。

SUS632J1は固溶化熱処理をいっても常温では硬くなっており、その後の熱処理としては、一回の析出硬硬化処理を施すだけでよく簡単です。 

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フェライト系

フェライト系ステンレス鋼

SUS430

(JIS G 4305)

13クロム系統のものよりクロム量が多いため、耐食性がよくなり、またオーステナイト系のような加工変態も起こらないため、加工がやりやすく、ステンレス鋼中、最も普及している鋼種です。

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高品質フェライト系ステンレス鋼

FS-1

(特金独自鋼種)

SUS430よりはるかに高い硬さで十分な成形性をもち、絞り割れを生ずることなく高速で精度の高いプレス加工ができます。

 

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マルテンサイト系

刃物用ステンレス鋼

SUS420J2

(JIS G 4305)

(JIS G 4313)

焼入れによって硬化し、焼戻を調節することによってかなり広い範囲の機械的性質が得られます。弊社の出荷状態の組織は、炭化物が完全に球状化しており、焼鈍仕上材では加工も容易に行えます。

 

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RB-S

(特金独自鋼種)

SUS420J2よりもさらに炭素量を高めているため、焼入硬化が大きくステンレス鋼の中でも最高レベルの硬さが得られ、刃物などに使用されています。

 

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RB-Z

(特金独自鋼種)

SUS420J2の炭素Cを増加させ、焼入れ硬化性を高めてあります。

また、クロムCr増加及びCrニッケルNi、モリブデンMoを添加することで、耐食性を大きく向上させた材料になります。

 

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1.2 系統による加工性の違い 

系統

説明

オーステナイト系

焼鈍仕上のオーステナイト系ステンレス鋼は引張強さに比べ耐力が著しく小さいこと、伸びが大きいことが特徴です。

あらゆる複雑な加工にも耐える優れた材料ですが、強靭でしかも加工硬化やスプリングバックが非常に大きいため加工機械、型、潤滑油、作業法等に特別な配慮が必要です。

以上、述べました軟質材以外の圧延仕上のものは強度の増加と共に方向性が強くなりますから、特に曲げ加工の場合、曲げ方向の選択が必要です。

析出硬化系

析出硬化系ステンレス鋼は、熱処理によって強度を高められることが特徴です。

特にSUS631においては、焼鈍(固溶化熱処理)状態で軟らかい準安定オーステナイト相であるため、オーステナイト系ステンレスと同様に複雑な加工にも耐えられる材料です。

加工後に析出硬化(熱処理)を起こさせることで、加工性と強度の両方を得ることが出来ます。

フェライト系

フェライト系ステンレス鋼の機械的性質や加工性は中炭素鋼とほぼ同様です。

焼鈍仕上のものは、軟鋼にみられるストレッチャーストレインが生じやすいのでこれを避けるためには、スキンパス仕上のものを使用する必要があります。

マルテンサイト系

マルテンサイト系ステンレス鋼は、低炭素のものではフェライト系ステンレス鋼よりも加工が容易です。高炭素になると焼鈍仕上でも硬くなるため、複雑な加工は困難です。


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2.1 各仕上の概要   

 

仕上状態

仕上げ

(調質記号)

詳細

焼鈍

BA

冷間圧延後、光輝焼鈍を施したもので、もっとも軟らかく高度で複雑な加工品に適しています。

 

スキンパス仕上

スキンパス

焼鈍後、軽く圧延したもので適当な光沢と平滑さが得られます。圧延でやや硬くなりますが、加工性はBA仕上げものとほぼ同じで、とくに焼鈍したフェライト系ステンレス鋼に出やすいストレッチャーストレインの防止にも役立ちます。

2B(ブライト肌)

2D(ダル肌)

圧延仕上

ロール仕上

(圧延の度合いで分けられています)

R

スキンパス仕上以上に強く圧延したもので、深い光沢と平滑さがあります。

 

また、圧延の程度によって広範囲の強度のものが得られますが、圧延率が高くなるほど方向性の増加や伸びの減少で複雑な加工がし難くなります。

 

SUS301、304、631等については、圧延の程度を1/4H、1/2H、3/4H、H・・・等に分けて規定しています。

⇒ SUS301、304のページ(機械的性質・物理的性質タブ)

⇒ SUS631、632J1のページ(機械的性質・物理的性質タブ)

1/4H

1/2H

3/4H

H

EH

SEH

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2.2 表面肌に関する仕上

表面仕上

詳細

ブライト仕上

光沢のあるロールで冷間圧延を施し、表面を光沢のある状態に仕上たものです。

ダル仕上

圧延ロールの肌を一様に粗くして冷間圧延を施し、表面を梨地状の光沢のない状態に仕上たものです。

4号研磨仕上

(400番研磨仕上)

通常は光輝焼鈍後、バフ400番程度に研磨したもので、両面研磨と片面研磨の2種類があります。この仕上の加工性は、BA仕上のものとほぼ同じです。

HL仕上

(ヘアライン仕上)

用途やご希望に適した粗さの研磨材で、連続した磨き目がつくように研磨して仕上げたものです。 

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3.1 焼鈍条件

焼鈍

焼鈍は次のような場合行います。

 

1. 冷間加工などで硬くなった材料の軟化
2. 粒界腐食の防止
3. 析出物または必要成分等の固溶化
4. オーステナイト系の加工による磁性の除去

 

 

標準的な焼鈍条件は次の通りです。

オーステナイト系

1010~1150℃

急冷

マルテンサイト系

750~850℃

徐冷

フェライト系

780~850℃

急冷または徐冷

 

 

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