当社独自に考案された工法「JIN®(ジン)」により、通常の製法では得られない高い強度と優れた加工性を併せ持つ材料です。
最大35000MPa%に達する耐力(YS)×延性(EL)バランスは世界最高レベルで、日本金属学会 第41回「技術開発賞」を受賞しています。
第41回日本金属学会技術開発賞受賞のお知らせ
現在、TOKKIN 350 JINとTOKKIN 301 JINの2つの鋼種でラインナップがあり、要求される特性値によってお選びいただけます。
板厚: 0.030~0.60mm ※0.030~0.10mm および 0.30~0.60mmは要相談
幅 : 3~300mm
長さ: COIL もしくは 長さ2,000mm以下
JINシリーズと一般的なばね用ステンレス鋼SUS301, SUS304の耐力(YS)伸び率(EL)のバランス図は右図の通りです。高い強度ながら延性も併せ持つため、これまでのばね用ステンレス鋼では難しかった加工形状も実現できます。
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鋼種名 | C | Si | Mn | P | S | Cr | Ni | Mo | Fe | N |
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TOKKIN 350 JIN (TOKKIN 350) |
0.07~0.11 | ≦0.50 | 0.50~1.25 | ≦0.040 | ≦0.030 | 16.00~17.00 | 4.00~5.00 | 2.50~3.25 | Bal. | 0.07~0.13 |
TOKKIN 301 JIN (SUS301) |
≦0.15 | ≦1.00 | ≦2.00 | ≦0.045 | ≦0.030 | 16.00~18.00 | 6.00~8.00 | - | Bal. | - |
TOKKIN 350 JINとTOKKIN 301 JINの機械的性質は下表の通りです。 ※代表値は一例で、保証値ではありません。
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鋼種 | 区分 | 耐力 [MPa] |
引張強さ [MPa] |
伸び [%] |
硬さ [HV] |
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TOKKIN 350 JIN | 規格値 | 1430≦ | 1500≦ | 16≦ | 460≦ |
代表値 | 1523 | 1567 | 23 | 472 | |
TOKKIN 301 JIN | 参考規格※ | 400≦ | 1500≦ | 12≦ | - |
代表値 | 1503 | 1586 | 20 | 496 | |
SUS301-H | 代表値 | 1500 | 1570 | 9 | 445 |
SUS301-3/4H | 代表値 | 900 | 1370 | 22 | 390 |
TOKKIN 350 JIN®と一般的なSUS301-Hを比較した引張試験の動画(43秒)です。
伸び率やSS曲線の違いも確認できますので、ぜひご覧ください。
TOKKIN 350 JIN、TOKKIN 301 JIN®ともに加工時の異方性が小さいため、加工の向きを気にすることなくご使用いただけます。
SUS301は異方性が強いため、TD方向(圧延方向と平行)に曲げるとクラックが発生しやすくなります。
TOKKIN 350 JIN®、TOKKIN 301 JIN®は、高い耐孔食性を有しています。
圧延加工や熱処理により高い硬さを得ることができるため、ばね用部品としてご利用いただけます。各鋼種の違いはこちらから。
TOKKIN 350をはじめ、ベローズ向けの金属材料各種を製造しています。 強度、耐食性、耐熱性などの要求特性に応じて、材質や仕様のご提案をいたします。
金属材料の結晶粒径を平均1μm程度にまで微細化したステンレス鋼です。結晶粒径を微細化することで、強度、疲労特性、加工性の向上が見込めます。