RB-S｜マルテンサイト系ステンレス鋼｜精密金属材料の特殊金属エクセル(TOKKIN)

ステンレス鋼

マルテンサイト系

RB-S｜マルテンサイト系ステンレス鋼

概要・特徴

RB-Sは、マルテンサイト系ステンレス鋼に分類される鋼種で、ステンレス鋼でありながら、焼入れ焼戻しの熱処理により硬化できる材料です。
SUS420J2よりも炭素（C）含有量を高めているため、焼入れ硬化が大きく、ステンレス鋼の中でも最高レベルの硬さが得られます。焼鈍仕上げでもかなり硬いため、複雑な加工には向いていませんが、刃物用途としては最適な材料です。

RB-Sの主な特長は以下の通りです。

(1) 耐摩耗性、耐熱性の用途に向いています。
耐磨耗用途のステンレス鋼として最適の鋼種で、焼戻抵抗が高く耐熱用用途にも使用可能です。

(2) 機械的・物理的な方向性が少ない。
組織変態による効果のため、圧延で硬化させるオーステナイト系ばね材と比較して機械的・物理的な方向性が少なくなります。

(3) 厚さや幅の節約ができます。
マルテンサイト系ステンレス鋼のため、非鉄系やオーステナイト系ばね材と比較してヤング率が高く、板ばねの厚さや幅の節約が可能です。

主な用途

電気シェーバー、各種刃物・ブレード

対応可能形状

製造可能範囲（コイル、板）

板厚

0.050～1.2mm

幅

3.0～300mm

長さ

コイルもしくは L2000mm以下のシート

当社で製造するコイルやシート材の製造範囲です。

規格

当社独自製品です。
規格は当材料と同等もしくは近似のものを掲載していますので、参考としてご利用ください。

AISI

420D

EN

1.4037

ISO

X65Cr13

化学成分

物理的性質

密度

7.7 g/cm³

比熱

430 J/(kg・K)

電気抵抗

60 μΩ・cm

ヤング率

220 GPa

熱伝導率

25 W/(m・K)

磁性

常時あり

機械的性質

下表、焼鈍仕上げ～強圧延仕上げの間でご希望の硬さ（仕上げ）にて製造いたします。（焼入れ済み鋼帯の硬さは、都度ご相談となります。）
板厚によっては対応できない仕上げもございますので、まずはご相談ください。
※極薄箔の場合、焼鈍、2B仕上などの軟質材は、不具合（折れ、シワなど）発生の懸念があるため、対応できない場合がございます。

焼入れ焼戻し

RB-Sは焼入れ焼戻しによって、硬さを上げることが可能です。
最高焼入れ硬さは［620～680HV］です。
焼戻し温度は、要求する硬さや靭性に応じて焼入れ焼戻し曲線を参考に選定ください。