
金属の切削加工とは?│種類、特徴、メカニズム、被削性について
非磁性ステンレスとは、その材料が磁場内に置かれても誘導磁化されないステンレスをいいます。
材料が磁化されてしまうと磁場の乱れ、磁界による発熱、鉄粉や切りくずなどの付着などの 問題が出るため、これらを嫌う用途に使用されます。
非磁性の指標となる物理的性質は 透磁率μ で、1.000に近い(低い)ほど非磁性が高い材料となります。
用途によって許容レベルは異なりますが、μ1.02以下であれば一般的には非磁性レベルといえます。
(最近の電子部品用ではより高い非磁性を求められるケースもあります)
非磁性ステンレスは、通常常温あるいは低温で安定したオーステナイト組織であることが必要ですが、製造過程で溶接や冷間加工(曲げ、プレス成形など)があると、強磁性のフェライトや加工誘起マルテンサイトなどが生成され、非磁性が保たれなくなります。
そのため、加工によりこれらを生成しにくい成分系(Cr-Ni系、Cr-Ni-Mn系)が一般的に使用されます。
※当社で扱う非磁性ステンレス鋼はこちらをご覧ください。
ご用途に合わせ、加工性、強度、非磁性、コストなど考慮し、最適な鋼種をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。
SUS304は一般的には非磁性といわれますが、下図のように冷間加工によって透磁率は上がり、強度の高い仕上げほどより磁石に付きやすくなりますので、鋼種選定の際はご注意ください。
部品を設計する中で材料の選定が必要となってきますが、通常非磁性(透磁率)だけで鋼種を選定することはなく、強度(硬度)、加工性、耐食性、物理的特性、入手性(市場性)、価格 など、複数の要素を満たす必要があります。
鋼種選定で迷ったときは、是非当社にお声掛けください。
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