SUS420J2は、マルテンサイト系ステンレス鋼に分類される鋼種で、ステンレス鋼でありながら、焼入れ焼戻しの熱処理により硬化できる材料です。市場性、価格などの面で、幅広い分野に使われています。
当社の焼鈍仕上げ状態では、炭化物が完全に球状化しているため、加工も容易に行え、焼入れ性にも優れます。
SUS420J2の主な特長は以下の通りです。
(1) 耐摩耗性、耐熱性の用途に向いています。
耐磨耗用途のステンレス鋼として最適の鋼種で、焼戻抵抗が高く耐熱用途にも使用可能です。
(2) 機械的・物理的な方向性が少ないです。
組織変態による硬化のため、圧延で硬化させるオーステナイト系ばね材と比較して機械的・物理的な方向性が少なくなります。
(3) 厚さや幅の節約ができます。
マルテンサイト系ステンレス鋼のため、非鉄系やオーステナイト系ばね材と比較してヤング率が高く、板ばねの厚さや幅の節約が可能です。
当社ではJIS G4313に規定されるばね用ステンレス鋼各種取り扱っています。
ばね用ステンレス鋼の各鋼種の特徴や比較は
こちらのページにてご確認ください。