電気抵抗を分かりやすく解説│抵抗が生じる原因や金属の電気抵抗率一覧
金属材料の熱処理でよく使用される用語の日本語・英語・中国語・韓国語の対照表です。
ここに記載した対応訳以外の単語が使われることもありますので、あくまで参考としてご利用ください。海外のお客様とのお取引きなどにお役立てください。
また、熱処理に関しては以下の記事で詳しく解説していますので併せてご確認ください。
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用語[日本語] | 英語[English] | 中国語[中文] | 韓国語[한국어] | 解説 |
熱処理一般 | ||||
熱処理 | Heat Treatment | 热处理 | 열처리 | 金属に加熱と冷却を加え強さ、硬さ、粘さ、耐衝撃性、耐摩耗性、耐食性、被肖性、冷間加工性等といった材料の性質を変える処理のこと。 |
熱処理炉 | Heat Treatment Furnace | 热处理炉 | 열처리로 | 金属に加熱と冷却を加え強さ、金属の性質を改善させていくための炉のこと。 |
雰囲気熱処理 | Atmosphere Heat treatment | 大气热处理 | 분위기 열처리 | 材料の酸化・脱炭防止や特性の向上などを目的とし、炉内に雰囲気ガスを充填して行う熱処理のこと。 雰囲気ガスについては、以下の記事で詳しく解説しています。 >【基礎知識】熱処理における雰囲気ガスとは? |
光輝熱処理 | Bright Heat Treatment | 明亮热处理 | 광택열처리 | 材料表面の酸化や脱炭を防ぐために無酸化雰囲気のなかで処理を行い、金属の光沢を保持する熱処理のこと。 光輝熱処理の中でも、ステンレスの仕上げで良く聞く『BA(光輝焼鈍:Bright Annealing)仕上げ』は、一般的に表面の光沢が高い仕上げとなります。 |
真空熱処理 | Vacuum Heat Treatment | 真空热处理 | 진공열처리 | 真空中で行う熱処理のこと。 |
塩浴熱処理 | Salt Bath Heat Treatment | 盐浴热处理 | 염욕열처리 | 塩浴材を用いて行う熱処理のこと。 |
オーステナイト | Austenite | 奥氏体 | 오스테나이트 | 純鉄が910~1400℃で結晶形が変化し、立方最密構造となったγガンマ鉄に、炭素が溶け込んだもの。 |
フェライト | Ferrite | 铁素体 | 페라이트 | 1種以上の元素を含むα(アルファ)鉄、またはδ鉄固溶体のこと。 結晶構造は体心立方結晶構造であり、純鉄は911℃以下に冷却するとフェライト化する。 |
パーライト | Pearlite | 珠光体 | 펄라이트 | オーステナイト状態の鋼を徐冷した際に形成される、フェライトとセメンタイトの層状組織のこと。 |
セメンタイト | Cementite | 水泥质体 | 시멘타이트 | 鉄と炭素の化合物のこと。 |
再結晶 | Recrystallization | 再结晶 | 재결정 | 冷間加工などでひずみを受けた結晶が加熱されることで、新しい結晶が生成され、ひずみのない結晶に置き換わっていく現象のこと。 |
共晶 | Eutectic | 共晶 | 공정 | 冷却する際に、液相から同時に2つ以上の固相が晶出する現象のこと。または、その組織のこと。 |
析出 | Precipitation | 析出 | 석출 | 固溶体から異相の結晶が生成され、分離成長する現象のこと。 |
ぜい性(脆性) | Brittleness | 脆性 | 취성 | 金属がほとんど塑性変形することなく、破壊する性質のこと。 |
残留応力 | Residual Stress | 残余应力 | 잔류응력 | 金属から外力を取り除いた後も、内部に残る応力のこと。 冷間加工や熱処理などによって生じ、材料の疲労強度などに影響を与える。 |
残留オーステナイト | Retained Austenite | 残留奥氏体 | 잔류오스테나이트 | 焼入れの際に、マルテンサイト相に一部残留するオーステナイトのこと。 焼入れ時の硬さ低下や経年劣化などの影響を引き起こすことがある。 |
脱炭 | Decarburization | 脱碳 | 탈탄 | 材料を加熱する際に、空気中の酸素と鋼材の炭素が結合し、鋼材の表面の炭素量が少なくなる現象のこと。 脱炭が起こると、十分な焼入れ硬さが得られないなどの不具合につながることがある。 |
変態 | Transformation | 相变 | 변태 | 温度を上昇または下降させた際に、結晶構造が変化すること。 |
炭化物 | Carbide | 碳化物 | 탄화물 | 炭素と一つまたは複数の金属元素との化合物のこと。 |
焼入性 | Hardenability | 硬化性 | 소입성 | 鋼材を焼入れした際の、焼入れ硬化のしやすさを表す度合いのこと。 |
焼入れ | ||||
焼入れ | Quenching | 淬火 | 담금질 | 鋼を変態点(組織変化が起こる温度)以上の温度まで加熱し、一定時間放置した後、水あるいは油によって急冷する熱処理のこと。 |
時間焼入れ | Time Quenching | 定时淬火 | 시간 담금질 | 焼入温度から水または油で急冷し、一定期間が経過した後、焼入液から材料を引上げゆっくり冷やす熱処理のこと。引上げ焼入れともいう。 |
オーステンパ | Austempering | 奥氏体淬火 | 오스템퍼링 | 金属を変態点以上の適当な温度に加熱したのち、通常300~500℃の熱浴(鉛浴または塩浴)に焼入し、その温度に一定時間保持してから室温まで適当に冷却する熱処理のこと。 |
マルテンパ | Martempering | 马氏体淬火 | 마템퍼 | 普通の焼入と同じく高温に加熱後、通常100~200℃の熱浴(油浴)に焼入し一定時間保持してから空冷する熱処理のこと。 |
焼戻し | ||||
焼戻し | Tempering | 回火 | 템퍼링 | 焼入れを行った材料に、再度熱を加え、粘りと靭性を加える熱処理のこと。 |
高温焼戻し | High-Temperature Tempering | 高温回火 | 고온 템퍼링 | 変態点以下の高温(450‐650℃)の範囲で加熱し、一時間程度保持した後に空冷する熱処理のこと。 |
低温焼戻し | Low-Temperature Tempering | 低温回火 | 저온 템퍼링 | 約100‐200℃の範囲で加熱し、一時間程度保持した後に空冷する熱処理のこと。 |
焼なまし | ||||
焼なまし | Annealing | 退火 | 어닐링 | 鋼を軟らかくするために熱を加え、一定時間保持した後徐冷する熱処理のこと。 |
完全焼なまし | Full Annealing | 完全退火 | 풀어닐링 | 最も一般的な焼なましの方法であり、材料を変態点+50℃以上の温度に加熱した後、一定時間保持し徐々に冷却させる熱処理のこと。 |
等温焼なまし[恒温焼ならし] | Isothermal Annealing | 等温退火 | 등온어닐링 | 約600℃の等温炉に挿入し、等温変態させたあと炉から取り出して空冷する熱処理のこと。 |
球状化焼なまし | Spheroidizing Annealing | 球化退火 | 구상화풀림 | 変態点Ar1直下の温度に長時間加熱、または変態点Ac1直上の温度まで加熱後、Ar1直下まで冷却を数回繰り返す方法などにより炭化物を安定な球状の状態へと変化させる熱処理のこと。 |
焼ならし | ||||
焼ならし | Normalizing | 正火 | 노멀라이징 | 金属を一定の温度まで加熱後、空冷し組織を均一化、微細化する熱処理のこと。 |
等温焼ならし | Isothermal Normalizing | 等温正火 | 항온노멀라이징 | 約550℃の等温炉に挿入し、一定時間保持したあと等温炉から取り出して常温まで空冷される熱処理のこと。 |
二段焼ならし | Stepped Normalizing | 二段正火 | 2단 노멀라이징 | 熱を加えた鋼を火色消失点まで空中放冷し、さらに炉冷、灰中冷却などで徐冷を行う熱処理のこと。 |
二重焼ならし[二回焼ならし] | Double Normalizing | 二重正火 | 2중 노멀라이징 | 1回の焼ならしでは組織の微細化が不十分な場合に2回にわたり行う熱処理のこと。 1回目は前組織の改善、低温成分の固溶のために高温で焼ならし、2回目はパーライト粒の微細化のために1回目よりも低温で焼ならしを行う。 |
特殊熱処理 | ||||
固溶化熱処理 | Solution Treatment | 固溶热处理 | 용체화 처리 | 主にオーステナイト系ステンレスに用いられ、材料の合金元素が固溶する温度まで加熱した後、析出物を出さないように急冷する熱処理のこと。 |
サブゼロ処理 | Sub-zero Treatment | 亚零度处理 | 심랭처리 | 主として、鋼中の残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させるために行う熱処理のこと。0℃以下の温度に冷却し、深冷処理ともいう。 |
析出硬化処理 | Precipitation Hardening Treatment | 沉淀硬化处理 | 석출경화처리 | 熱処理により析出硬化系の材料の化合物を析出させ、機械的特性を向上させる熱処理のこと。 以下の記事で詳しく解説しています。 >金属の時効とは?時効処理と析出硬化処理は違うもの? |
時効処理 | Aging Treatment | 时效处理 | 시효 처리 | 時間経過に伴う自然時効のこと。または、材料に温度を加え時効を促進させ、機械的性質や物理的性質を変化させる熱処理のこと。 以下の記事で詳しく解説しています。 >金属の時効とは?時効処理と析出硬化処理は違うもの? |
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