
金属の切削加工とは?│種類、特徴、メカニズム、被削性について
熱処理を行う際に、熱処理炉内に送入するガスのことを”雰囲気ガス”といい、目的や扱い易さ、コストに応じてガスの種類を選定します。
雰囲気ガスを使用する目的は、大きく分けて①材料の酸化・脱炭防止と②材料特性の向上に分けることができます。
材料を空気中(大気中)で加熱すると、空気中の酸素と反応し材料表面に着色(テンパーカラー)や酸化スケールの付着が起こります。また、鋼においては材料表面の炭素が空気中の酸素と結合し、鋼中の炭素が減少してしまう現象(脱炭)も起こります。このように、酸化や脱炭が起こってしまうと、異常摩耗や異常破損、硬化不足といったトラブルに繋がるため、不活性ガスを充満させた炉内において、熱処理を行う必要があります。
雰囲気ガスは上述した材料の酸化・脱炭防止のために、従来利用されてきましたが、近年は、それに加え材料の特性を向上するといった目的のためにも使用されています。
例えば、浸炭性ガスや窒化性ガス中で熱処理を行うことで、表面強度を改善させたり、疲労強度を向上させたりといったことが可能です。
雰囲気ガスの種類は、以下のように分類することができます。
不活性ガス | 窒素(N2)、アルゴンガス(Ar)、ヘリウム(He) |
---|---|
還元性ガス | 水素(H2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素ガス(CH4、C3H8、C4H10など) |
酸化性ガス | 酸素、水蒸気 |
脱炭性ガス | 酸化性ガス |
浸炭性ガス | 一酸化炭素(CO)、炭化水素ガス(CH4 、C3H8 、C4H10) 都市ガス 、メタノール(CH3OH)、エタノール (C2H5OH) |
窒化性ガス | アンモニアガス |
雰囲気ガスは上述した通りですが、純粋なガスはコストが高価なため上記の気体と空気を混合させ変成ガスとして使用されることが多いです。
よく使用される変成ガスは以下の通りです。
プロパン、ブタンガスなどの炭化水素ガスと空気を混合し、焼却炉で燃焼させたあと脱水させることにより生成した、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素を主成分としたガスです。
低炭素鋼の光輝焼なましや、アルミの光輝焼なまし等に適しています。
アンモニアを1000℃近くの高温触媒を通じて分解し、水分や微量の残留アンモニアを吸着剤で除去したH2 75%、N2 25%、露点-40℃以下のガスです。ステンレス鋼を始め殆どの鋼の光輝加熱に適しています。
ブタン、プロパンその他の原料ガスと空気を混合して燃焼し、水分や炭酸ガス等を吸着剤で除去したN2 95%前後、CO+H2数%前後、露点-40℃以下のガスです。ステンレス鋼を除く一般の鋼の光輝加熱に適しています。
メタン、ブタンガスなどを原料として高温触媒で生成した、CO:20~24 %、H2:40~30 %、残り N2 を主成分としたガスです。浸炭、復炭素、無脱炭焼きなまし等に適しています。
以上、熱処理における雰囲気ガスについて解説いたしました。
金属材料における熱処理の種類や方法などについては、下記の記事にて解説していますので併せてご確認ください。
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金属の熱処理とは? その目的、種類、熱処理方法、特長について
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