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SUS304-CSPとは? SUS304、SUS304-CS、SUS304-CPとの違いは?

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SUS304-CSPとは? SUS304、SUS304-CS、SUS304-CPとの違いは?
SUS304-CSPとは? SUS304、SUS304-CS、SUS304-CPとの違いは?について解説しています。

結論から申し上げますと、SUS304-CSPもSUS304、SUS304-CS、SUS304-CPも素材(化学成分)としては同じものです。しかしながら、以下のように「ばね用」として強度規格を明確に適用したい場合は、-CSPを記載すべきと考えます。

(SUS301-CSPとSUS301についても同様です。)

SUS304に付く-CS/-CS/-CSPについて

SUS304はステンレスの種類を表す記号(鋼種)であり、化学成分値によって決まります。

JISではこの鋼種記号の末尾に以下のような記号を付けることで、形状や用途を明確に分ける場合があり、SUS304-CSPは、「冷間圧延をした帯の形状をしたもので、ばね用途向けのSUS304」ということになります。

表アリ

鋼種記号 末尾記号の説明 意味 JIS規格番号
SUS304-CS C:Cold S:Strip 冷間圧延の JIS G 4305
SUS304-CP C:Cold P:Plate 冷間圧延の JIS G 4305
SUS304-CSP C:Cold S:Strip P:Spring 冷間圧延のばね用途 JIS G 4313


JISの区分(JIS G 4305/JIS G 4313)について

上述の通り、CS, CP, CSPの記号が付くのは、冷間圧延されたステンレス鋼で、JIS規格の G 4305とG 4313で規定されています。

下表にそれぞれの規格の概略をまとめましたので参考までに。

JIS規格番号 規格タイトル 鋼種数 詳細
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 65 冷間圧延ステンレス全般の規格となり、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系に属する65鋼種ほどが規定されています。
JIS G 4313 ばね用ステンレス鋼帯 5 主に自動車や電気機器などに使用される薄板ばねやぜんまいばねに用いるステンレス鋼帯として規格されており、JIS G 4305の中でもばね用途に向いているSUS304, SUS301, SUS420J2, SUS631, SUS632J1の5鋼種に絞って規定されています。


調質記号について

上述した鋼種記号以外に、調質(仕上げ)と呼ばれる、冷間圧延により変化する機械的性質や表面仕上げなどを表す調質記号もあります。

SUS301やSUS304では、主に以下のような調質記号がありますが、同じ調質でもJIS G4305とG4313では機械的特性(引張強さ、耐力、伸び率など)に若干違いがありますので、ご注文の際には注意が必要となります。
※当社では、特に指定のない場合、JIS G 4313の規格を適用しております。

 

なお、当社では、JIS規格の範囲はもちろん、JIS規格よりも厳しい規格範囲や中間の規格範囲など、ご希望に応じて作り分けができますので、お見積りの際に営業担当までお申し付けください。

また、ミルシートへの-CSP表示などもご指示いただければ記載可能です。

鋼種 調質記号 JIS G 4305(-CS, -CP) JIS G 4313(-CSP)
耐力
[N/mm2]
引張強さ
[N/mm2]
伸び
[%]
硬さ
[HV]
耐力
[N/mm2]
引張強さ
[N/mm2]
伸び
[%]
0.30≦t<0.40 0.40≦t<0.80 0.80≦t
SUS301 1/4H 510≦ 860≦ 25≦ 25≦ 25≦ - - - -
1/2H 755≦ 1030≦ 9≦ 10≦ 10≦ 310≦ 510≦ 930≦ 10≦
3/4H 930≦ 1210≦ 3≦ 5≦ 7≦ 370≦ 745≦ 1130≦ 5≦
H 960≦ 1270≦ 3≦ 4≦ 5≦ 430≦ 1030≦ 1320≦ -
EH - - - - - 490≦ 1275≦ 1570≦ -
SEH注) - - - - - 530≦ 1450≦ 1740≦ -
SUS304 1/2H - - - - - 250≦ 470≦ 780≦ 6≦
3/4H - - - - - 310≦ 665≦ 930≦ 3≦
H - - - - - 370≦ 880≦ 1130≦ -

※「—」はJISで既定のない項目となります。

[注]SEHは、EH区分の範囲で特に注文者の指定がある場合に適用されます。

また、アメリカのASTMにも同等の規格があり、JISとASTMの規格値を一覧表にまとめましたので、よろしければこちらからダウンロードください。

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