casestudyapplication

【用途紹介】高温超電導 HTSテープ向け ハステロイ箔

  1. HOME
  2. お役立ち情報
  3. 【用途紹介】高温超電導 HTSテープ向け ハステロイ箔
公開日時 : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
【用途紹介】高温超電導 HTSテープ向け ハステロイ箔

これからの超伝導技術である高温超伝導に欠かせないHTSテープ(High-Temperature Superconducting Tape)。HTSテープの構造と超伝導体を支える金属基板のハステロイ箔について紹介いたします。


cover-technical-guide_cta.png

超電導とは?

そもそも超電導とは何でしょうか?
超電導とは、物質を極低温に冷却したときに 電気抵抗が完全にゼロになる現象 を指します。
電気抵抗がなくなることで電流がエネルギー損失なく流れ続けるため、 大電流を効率的に扱える という大きな特徴があります。
この特性を活かし、超電導技術は主に以下の分野で利用・研究されています。

  • 強力な磁場生成(超電導マグネット)
  • 省エネ型の送電システム
  • 極めて高精度な計測機器

具体的な応用例として、リニアモーターカー、医療用 MRI、核融合実験装置、次世代電力ケーブルなどが挙げられます。 これらの技術分野では、
超電導が エネルギー効率の向上や装置の小型化・高性能化を実現する不可欠な技術 となっています。

ちょこっとメモ

「超電導」と「超伝導」はちがうもの?

結論からいうと超電導と超伝導はどちらも同じ現象をさす単語で、どちらを使っても間違いではありません。
英語の [superconductivity] を日本語訳したもので、当初は「超伝導」であったようですが、電気抵抗ゼロで電流を流せる現象であることから「超電導」も標準的に使われているのが現状のようです。
現在では、物性や物理学などの学術的な分野では「超伝導」、技術・産業分野では「超電導」を用いることが多いとのことですので、本記事では「超電導」を使用いたします。 

高温超電導と低温超電導

超伝導技術は物質が超電導になる温度「臨界温度(Tc)」によって、低温超伝導と高温超電導に分けられています。
低温と高温は、臨界温度まで冷やすために使われる冷媒によって区別されていて、従来の低温超電導(LTS:Low-Temperature Superconducting)が液体ヘリウム(沸点-269℃:4.2K)を冷媒に使用するのに対し、次世代の高温超電導(HTS:High-Temperature Superconducting)では液体窒素(沸点-196℃:77K)が用いられます。
従来の高価な液体ヘリウムよりも、冷却コストを大幅に抑えられる液体窒素を用いた、高温超電導の実用化に向けた研究が進んでいます。


高温超電導技術に欠かせないHTSテープとは?

高温超電導に欠かせないHTSテープ(High‑Temperature Superconducting tape:高温超電導テープ)は、高温(液体窒素の沸点-196℃以上)でも超電導を示す超電導層を含む導体のことで、超電導体の機能を最大限に引き出すために下図のような多層の構造をしています。

superconductivity.png

 

名称 材質 役割
安定化層 Cu 熱安定性の確保
保護層 Ag 超電導層を酸化や腐食から保護
超電導層 REBCO、YBCOやGdBCOなど 超伝導になる部分(HTSテープの心臓部)
中間層 セラミックス 超伝導層が正しい方向に成長するための土台
金属基板 ハステロイやNi-W合金などのNi合金 超伝導テープの機械的強度を確保

超電導体を支える金属基板

HTSテープは金属基板の上に、中間層、超電導層、保護層、安定化層を積層して製造されます。
ベースとなる金属基板は、超電導層が十分な機能を発揮するためにとても重要な役割を持ち、次のような特性が求められます。


<金属基板に求められる特性>
  • 表面の平坦・平滑性
  • 寸法安定性(板厚や幅などのばらつきが少ない)
  • 熱サイクルによるひずみ抑制
  • 長尺における均一性
  • 高強度・高耐食性・非磁性

これらの要求特性から、金属基板にはハステロイなどのNi基合金の冷間圧延ストリップが使われることが多く、現在はハステロイC276の箔が主流となっています。

cover-technical-guide_cta.png

TOKKINのハステロイ箔

特徴

当社では、HTSテープの金属基板向けにHC-276(ハステロイC276相当材)箔を製造しており、次のような特徴があります。
※当社では、ハステロイC276(HASTELLOY C276)もしくはその相当材を素材に使用いたします。

  • 平坦・平滑性
  • 表面粗さ調整
  • シビアな厚み公差(例 0.050mm±0.002mm)
  • 機械的特性のカスタマイズ

製造可能仕様(スペック範囲)

  • 板厚:0.010mm~
  • 幅:3mm~
  • 長さ:コイル
  • その他、調整可能仕様: 
    • 表面粗さ(Raなど)
    • 機械的性質(硬さ・引張強さなど)
    • 内径・内芯
    • 梱包
    •  

試作・サンプル対応

サンプルならハガキサイズ1枚から、受注生産の試作も極小ロットに柔軟に対応しております。
ご質問や見積依頼などは 問い合わせフォーム よりお気軽にご連絡ください。

cover-technical-guide_cta.png

関連製品

HC-276(ハステロイC276相当材)

当社では、ハステロイC276(HASTELLOY C276)もしくはその相当材を素材に使用し、厚さ0.020mm~、幅3.0mm~、受注生産にてご注文をお請けしております。

金属箔|板厚0.002mm~0.099mm

最薄0.002mm~の極薄金属箔にも対応可能!長年培った箔圧延技術で高品質な金属箔をご提供いたします。

高精度板厚材料|適用板厚0.010mm~2.0mm

一般材では実現できないシビアな板厚公差で製品の信頼性、品質向上に貢献いたします。具体的な公差はこちらのページをご覧ください。

 

 

テクニカルガイド

技術資料ダウンロード

材料スペックや材料データが満載のテクニカルガイド(全60ページ超)を無料でダウンロードいただけます。
耐熱合金・耐食合金はP33-34に掲載されております

この記事を書いた人

TOKKIN技術コラム編集部

精密金属材料メーカーとして80年以上の実績を持つ特殊金属エクセルが運営。
長年培った知見や日々寄せられるお客様からのご相談を元に、技術開発と営業が連携してお客様の疑問や課題解決に役立つ情報を発信しています。​

テクニカルガイド

まずはお気軽にお問い合わせください。

金属材料に関して課題をお持ちの方は、まずは特殊金属エクセルにご相談ください。お客様の製品になるまでを考慮し、課題解決に向けたよりよい材料のご提案をいたします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

金属材料に関するご相談など
お気軽にお問い合わせください