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非金属介在物とは?│その種類や清浄度、測定方法について

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非金属介在物とは?│その種類や清浄度、測定方法について

非金属介在物とは?その種類や、金属の清浄度、清浄度の測定方法などについて解説します。


非金属介在物とは?

非金属介在物とは、鋼中に含まれるアルミナ(Al2O3)やスピネル(MgO・Al2O3)などの酸化物や、硫化マンガンといった硫化物、窒化チタンなどの窒化物のことをいいます。
これらが、鋼中に含まれていると鋼の延性や靭性、疲労特性、耐食性、加工特性といった機械的性質に悪影響を及ぼすことがあるため、高信頼性が要求される用途では時として問題になる場合があります。
非金属介在物は現在の製鋼技術では完全に失くすことは不可能なため、いかに低減させるかが課題となります。

非金属介在物の発生起源と組成

非金属介在物は、発生起源により内生的介在物外来的介在物に分けられます。

  • 内生的介在物…造塊時に金属成分とO(酸素), S(硫黄), N(窒素)などが反応して生成したもの。
  • 外来的介在物…製鋼時に混入した耐火物やスラグに起因したもの。

以下は介在物の組成の例となります。

ケイ酸塩系

MnO-SiO2, MnO-FeO-SiO2 など


アルミナ系

Al2O3 など


酸化物系

MnO, FeO, Cr2O3, Cr2O3-FeO など


硫化物系

MnS, FeS など


窒化物・炭化物系

AlN, TiN, ZrN, TiC, ZrC, Ti(C,N)


非金属介在物の種類

JIS G 0555:2020によると非金属介在物は、以下の通りA系B系C系に分類されています。

A系介在物

加工によって塑性変形したもの(硫化物、ケイ酸塩など)。
必要な場合には、更に硫化物とケイ酸塩にわけ、前者をA1系介在物、後者をA2系介在物という。

B系介在物

粒上の介在物が、加工方向に集団をなして不連続的に並んだもの(アルミナなど)。
Nb、Ti及びZr(単独又は2種類以上)を含む鋼において、必要な場合には、更にアルミナなどの酸化物系とNb、Ti及びZrの炭窒化物系とに分け、前者をB1系介在物、後者をB2介在物という。

C系介在物

粘性変形をしないで不規則に分散するもの(粒状酸化物など。)
Nb、Ti及びZr(単独又は2種類以上)を含む鋼において、必要な場合には、更に酸化物系とNb、Ti及びZrの炭窒化物系とに分け、前者をC1系介在物、後者をC2系介在物という。

A系、B系、C系介在物の図


非金属介在物の品質への影響

上述のように、非金属介在物には発生起源と組成によっていくつかの種類に分けられ、以下のような不具合を引き起こす原因になります。

疲労破壊や強度低下

B系やC系に分類される酸化物系の介在物は硬くて脆いため、周囲の金属との境界で応力集中が発生し、き裂の起点になりやすく、疲労破壊や早期破損の原因となります。

表面欠陥

B系やC系のような圧延で引き延ばされる介在物は、表層付近に存在すると、表層が線状に膨れたり、剥がれたりします。このような欠陥は、通称「ヘゲ」と呼ばれます。

錆・腐食

ステンレス鋼などでは、表層付近の介在物が不働態被膜の弱点となり、そこから錆が進展する場合があります。


ちょこっとメモ

“介在物”というと有害なイメージがありますが、実は鋼材にとって悪影響を及ぼすものばかりではありません。その代表例が快削鋼です。快削鋼では、SやPbなどの添加によって生成された介在物が、切削時の抵抗を低減し、工具と切り屑間の潤滑作用を発揮することで快削性を実現しています。



金属の清浄度

非金属介在物は完全に除去することが難しく、その量や分布状態は鋼材の品質を評価する上で重要な指標の一つとなります。
特に高い信頼性や安定した性能が求められる用途では、非金属介在物を低減した鋼材が使用されます。

鋼材中の非金属介在物の量を評価する指標として“清浄度”があり、JISでも規定されています。特殊な精錬工程を経て非金属介在物の減少を図った鋼材は、高清浄度鋼とよばれ、高い信頼性や性能が求められる用途に採用されています。



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当社では、高い信頼性が求められる繊維機械部品向けに独自鋼種の高清浄度鋼MB-1をはじめ、M1, M2といった鋼種を取り扱っています。
化学成分、機械的性質などの詳細は、以下をご確認ください。

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清浄度の測定方法

清浄度の測定方法はいくつかありますが、一般的な評価方法にはJIS G0555:2020、ASTM-A法、ASTM-D法といった顕微鏡を使った方法や極値統計法、超音波探傷法などが挙げられます。

顕微鏡法

顕微鏡を使った方法としては、JIS G 0555:2020、ASTM-A法、ASTM-D法といったものが挙げられます。これらは、光学顕微鏡を用いて鋼材の非金属介在物の大きさ・分布を測定する方法です。JIS G 0555:2020には、顕微鏡での観察視野と標準図を比べる比較法と、顕微鏡での観察によって介在物が占める面積率やその種類を測定する点算法の2つの方法が規定されています。
また、これらの方法では、数~数十μmの介在物が対象となっています。


極値統計法

極値統計法は、いくつかの試験片中に含まれる最大介在物径から極値統計処理を行うことで、評価したい材料に含まれる最大介在物径を推定する方法です。
この方法は、100㎛ほどの介在物が対象となっています。


超音波探傷法

超音波探傷法とは、水浸超音波を用いて非破壊的に鋼中に存在する非金属介在物の評価を行う方法です。
顕微鏡法や値統計法といったこれまでの測定方法では困難であった100μm級以上の大型介在物を測定することが可能となっています。


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清浄度

横にスクロールしてご覧いただけます。

鋼種名 dA dB dC dT
M1 0.013 0.021
M2 0.013 0.013
MB-1 0.004 0.004 0.008

※JIS G 0005鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法、点算法による。


まとめ

以上、非金属介在物、清浄度について解説いたしました。

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この記事を書いた人

TOKKIN技術コラム編集部

精密金属材料メーカーとして80年以上の実績を持つ特殊金属エクセルが運営。
長年培った知見や日々寄せられるお客様からのご相談を元に、技術開発と営業が連携してお客様の疑問や課題解決に役立つ情報を発信しています。​

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