1. HOME
  2. 製品案内
  3. ステンレス鋼
  4. 焼入れステンレス鋼│SUS420J2

Hardened Stainless Steels

焼入れステンレス鋼
SUS420J2

製品概要

マルテンサイト系ステンレス鋼に分類される鋼種です。
ステンレス鋼は炭素鋼のように、熱処理によって硬化するものは少なく、析出硬化系と中~高炭素クロム系ステンレス鋼に限られています。
マルテンサイト系ステンレス鋼は、ステンレス鋼でありながら炭素含有率を高めているため、炭素鋼同様に焼入焼戻処理により非常に硬化させることができます。
この材料を焼入れして使われるお客様のほとんどが、各種製品に成形加工後に熱処理を施して使用されていますが、近年、合理化を目的として加工設備や加工技術が進歩したことにより、ハード仕上げの鋼帯や焼入鋼帯のように極端に硬い材料でも連続プレス、あるいはカッティング等によるバラツキの少ない能率的な製品を作ることが可能となりました。

そのため、製品に加工してからの熱処理は品質管理や作業管理が繁雑であり、生産性も低いことから、成形加工後の焼入れに代わって焼入済みの鋼帯に素材を切り替える傾向が強まっています。

当社では、ステンレス特有の性質と硬さ、さらに高品質を求めていらっしゃるお客様のご要望にお応えし、焼入れ済みのステンレス鋼帯を提供しております。 
※SUS420J2の焼入れ加工は基本当社上海工場で行ないます。

主な用途

各種バネ類、刃物、直尺、コテ、ヘラ、ドクターブレード、紡績機

対応可能形状

製造可能寸法

板厚: 0.30~2.0mm
 幅: 3.0~250mm

鋼種の特徴

SUS420J2

マルテンサイト系ステンレス鋼の中で、市場性、価格などの面で幅広い分野で使われている材料です。当社の焼鈍仕上げ状態では、炭化物が完全に球状化しているため、加工も容易に行え、焼入れ性も良くなります。

規格

相当する海外規格は参考となります。

横にスクロールしてご覧いただけます。

鋼種名 日本 アメリカ 欧州規格 国際規格
JIS G4313,G4305 UNS AISI/ASTM EN ISO
SUS420J2 SUS420J2 S42000 420 1.4028
1.4034
 X30Cr13

化学成分

横にスクロールしてご覧いただけます。

鋼種名 C Si Mn P S Cr Ni Mo Fe
SUS420J2 0.26~0.40 ≦1.00 ≦1.00 ≦0.040 ≦0.030 12.00~14.00 ≦0.60 - Bal.

物理的性質

横にスクロールしてご覧いただけます。

鋼種名 密度
[g/cm3
比熱
[J/(kg・K)]
電気抵抗
[μΩ・cm]
ヤング率
[GPa]
熱膨張係数
[×10-6/K]
熱伝導率
[W/(m・K)]
融点
[℃]
磁性
SUS420J2 7.75 460 55 200 10.3
(0~100℃)
24.7 1454~1510 常時磁性あり

機械的性質

横にスクロールしてご覧いただけます。

鋼種 硬さ[HV]
熱処理後(参考)
SUS420J2 450~550

この材料の特徴

  • 耐摩耗性、耐熱性の用途に向いています。
    • 耐磨耗用途のステンレス鋼として最適の鋼種で、焼戻抵抗が高く耐熱用途にも使用可能です。
  • 機械的・物理的な方向性が少ない。
    • 熱処理での組織変態による硬化のため、圧延で硬化させるオーステナイト系ばね材と比較して機械的・物理的な方向性が少なくなります。
  • 厚さや幅の節約ができます。
    • マルテンサイト系ステンレス鋼のため、非鉄系やオーステナイト系ばね材と比較してヤング率が高く、板ばねの厚さや幅の節約が可能です。

TOKKINの特長

当社の特長は以下の通りです。

  • 平坦性  オリジナル焼入方式により広幅で優れた平坦性を有しております。
  • 板厚公差 JIS規格などの一般材や他社規格では出来ない、より精密な板厚公差での製造が可能です。
  • ロット  標準500㎏~ですが、板厚や仕様によってご相談可能です。
  • 硬さ調整 オーダーメイドで製造を行なっておりますので、希望の硬さに調節することが可能です。

関連ページ

刃物用材料

剃刀、医療用刃物など、各種刃物に適した材料です。用途や要求特性に応じて鋼種をお選びいただけます。

マルテンサイト系ステンレス鋼

焼入れにより非常に高い強度を得ることができるステンレス鋼です。各鋼種の違い、特性はこちらから。

金属材料に関するご相談など
お気軽にお問い合わせください