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ステンレス詳細

ステンレス簡略マップ特性データ一覧表

オーステナイト系・析出硬化系ステンレス

ステンレス1 SCS304 SUS301 SUS304L SUS305 SUS316L SUS316 254N SUS632J1 SUS631


フェライト系ステンレス

SUS430 FS-1


マルテンサイト系ステンレス

SUS420J2

 

種類 鋼種 特性データ
共通データ 化学成分機械的性質仕上熱処理性加工性
ばね用
ステンレス鋼
SUS301

18-8ステンレスのクロムとニッケルを低めた17-7型のステンレスです。オーステナイトが不安定なため、冷間加工によってマルテンサイト変態が起こり、加工硬化と合わせ非常に高い強度が得られます。また靭性も大きいため、強い加工を行うバネ等に好適です。加工に伴う磁性の増加もオーステナイトステンレス鋼中最大です。

化学成分機械的性質低温焼鈍異方性

SUS304

いわゆる18-8ステンレスと呼ばれる代表的な鋼種でオーステナイト系中最もよく使用されています。

SUS304L

SUS304に比べ炭素量が低く、ニッケル量も多いので耐食性がよく、特に粒界腐食に対する抵抗性が優れています。また焼鈍状態の硬度が低く、加工硬化性が小さいので深絞りものにも適しています。

非磁性
ステンレス鋼
SUS305
ST-M1

オーステナイト系は固溶化熱処理状態では非磁性で、冷間加工で磁性を帯びるようになりますが、ST-M1はこの傾向を押さえるようにした非磁性鋼です。

化学成分機械的性質物理的性質

高耐食性
ステンレス鋼
SUS316

この鋼種はステンレスの中でも、比較的流通量が少ないため入手しにくい材料です。このような絞り用途目的のステンレスはC量が低くNi量が多いので焼鈍状態の硬度が低く加工硬化性が少ないのが特徴です。また耐食性がよく特に粒界腐食に対して優れています。固溶化熱処理状態では非磁性ですが加工により弱い磁性を持つようになります。

化学成分

SUS316L

SUS316よりもカーボン量を抑え絞り性を向上させた材質です。

化学成分

254N

高クロム,高モリブデン,窒素を含有するので,高濃度塩素環境において優れた耐食性,耐すき間腐食性を持っています。UNS S 31254(AVESTA 254 SMO)同等以上の耐食性を持っています。SUS 317J1LやSUS 329J4Lよりも優れた耐食性を示します。オーステナイト組織なので延性や靭性が高く,加工性,溶接性が良好です。

化学成分

フェライト系
ステンレス鋼
SUS430

13クロム系統のものよりクロム量が多いため耐食性がよくなり、またオーステナイト系のような加工変態も起こらないため、加工がやり易く、ステンレス鋼中、最も普及している鋼種です。

化学成分機械的性質物理的性質

FS-1

SUS430よりはるかに高い硬さで十分な成形性をもち、絞り割れを生ずることなく高速で精度の高いプレス加工が出来ます。

化学成分機械的性質耐食性

析出硬化系
ステンレス鋼
SUS631

18-8ステンレスの優れた性能を保持しながら、熱処理によって強度を高めることが出来る析出硬化型の最も代表的な鋼種です。固溶化熱処理状態の最も軟らかいものから強圧延仕上の硬いものまで、加工、用途に合わせて種々の熱処理を施すことによって、高炭素マルテンサイト系の焼入材に次ぐ強度のものを得ることが出来ます。固溶化熱処理状態では弱磁性ですが、析出硬化処理後はかなり強い磁性を示すようになります。

化学成分機械的性質加工性

SUS632J1

SUS631は固溶化熱処理状態では軟らかく種々の加工が出来る反面、これを硬化させる中間硬化処理が必要です。SUS632J1は固溶化熱処理を行っても常温では硬くなっており、その後の熱処理としては、1回の析出硬化処理を施すだけでよく簡単です。この硬くなった固溶化熱処理材は、炭素量が低く靭性もあるため軽度の加工は可能です。仕上状態としては固溶化熱処理仕上と圧延仕上があり、圧延仕上のほうが大きい強度が得られますが、SUS631の強度には及びません。この鋼種は、すべての状態で強い磁性を示します。

化学成分機械的性質物理的性質

焼入鋼 SUS420J2

焼入によって硬化し、焼戻を調節することによってかなり広い範囲の機械的性質が得られます。弊社の出荷状態の組織は、炭化物が完全に球場化しており、焼鈍仕上材では加工も容易に行えます。

化学成分機械的性質物理的性質

DSR1K6

SUS420J2からさらに炭素量を高めることで、より高い焼入れ効果を実現した材料で高級なステンレス包丁などに用いられます。

共通データ 化学成分機械的性質仕上熱処理性加工性

 

化学成分

ばね用ステンレス鋼非磁性ステンレス鋼高耐食性ステンレス鋼
フェライト系ステンレス鋼析出硬化系ステンレス鋼焼入鋼

 

ばね用ステンレス鋼

鋼種 化学成分(%)
C Si Mn P S Cr Ni
SUS301 ≦0.15 ≦1.00 ≦2.00 ≦0.045 ≦0.030 16.00~
18.00
6.00~
8.00
SUS304 ≦0.08 ≦1.00 ≦2.00 ≦0.045 ≦0.030 18.00~
20.00
8.00~
10.50
SUS304L ≦0.030 ≦1.00 ≦2.00 ≦0.045 ≦0.030 18.00~
20.00
9.00~
13.00

オーステナイト系

  1. 焼入によって硬化しません。
  2. 非酸化または還元性雰囲気の中で耐食性が悪くなる点を、Niを加えることによって改善したもので、ステンレス鋼中オーステナイト系が最も優れています。
  3. 固溶化熱処理状態では展延性に優れ、かつ降伏点も低いので高度の加工が可能です。
  4. 加工硬化が著しいのでバネや強靭鋼としても使用できます。
  5. 固溶化熱処理状態では非磁性ですが、強い加工により弱い磁性をもつようになります。

 

非磁性ステンレス鋼

鋼種 化学成分(%)
C Si Mn P S Cr Ni
SUS305 ≦0.12 ≦1.00 ≦2.00 ≦0.045 ≦0.030 17.00~
19.00
10.50~
13.00
ST-M1 ≦0.08 ≦1.00 2.00~
4.00
≦0.045 ≦0.030 15.00~
17.00
11.00~
13.00

オーステナイト系

  1. 焼入によって硬化しません。
  2. 非酸化または還元性雰囲気の中で耐食性が悪くなる点を、Niを加えることによって改善したもので、ステンレス鋼中オーステナイト系が最も優れています。
  3. 固溶化熱処理状態では展延性に優れ、かつ降伏点も低いので高度の加工が可能です。
  4. 加工硬化が著しいのでバネや強靭鋼としても使用できます。
  5. 固溶化熱処理状態では非磁性ですが、強い加工により弱い磁性をもつようになります。

 

高耐食性ステンレス鋼

鋼種 化学成分(%)
C Si Mn P S Cr Ni Mo N
SUS316 ≦0.08 ≦1.00 ≦2.00 ≦0.045 ≦0.030 16.00~
18.00
10.00~
14.00
2.00~
3.00
 
SUS316L ≦0.030 ≦1.00 ≦2.00 ≦0.045 ≦0.030 16.00~
18.00
12.00~
15.00
2.00~
3.00
 
254N ≦0.030 ≦1.00 ≦1.00 ≦0.025 ≦0.005 22.00~
24.00
24.00~
26.00
5.00~
6.00
0.17~
0.22

オーステナイト系

  1. 焼入によって硬化しません。
  2. 非酸化または還元性雰囲気の中で耐食性が悪くなる点を、Niを加えることによって改善したもので、ステンレス鋼中オーステナイト系が最も優れています。
  3. 固溶化熱処理状態では展延性に優れ、かつ降伏点も低いので高度の加工が可能です。
  4. 加工硬化が著しいのでバネや強靭鋼としても使用できます。
  5. 固溶化熱処理状態では非磁性ですが、強い加工により弱い磁性をもつようになります。

 

フェライト系ステンレス鋼

鋼種 化学成分(%)
C Si Mn P S Cr Ni
SUS430 ≦0.12 ≦0.75 ≦1.00 ≦0.040 ≦0.030 16.00~
18.00
 
FS-1 0.07 1.90 0.60 0.02 0.002 16.3 1.0

フェライト系

  1. 焼入によって硬化しません。
  2. 全ての状態で磁性があります。

 

析出硬化系ステンレス鋼

鋼種 化学成分(%)
C Si Mn P S Cr Ni Al Cu Ti
SUS631 ≦0.09 ≦1.00 ≦1.00 ≦0.04 ≦0.03 16.00~
18.00
6.50~
7.75
0.75~
1.50
   
SUS632J1 ≦0.09 1.00~
2.00
≦1.00 ≦0.04 ≦0.03 13.50~
15.50
6.50~
7.75
0.75~
1.50
0.40~
1.00
0.20~
0.65

析出硬化系

  1. 焼入によって硬化できないオーステナイト系ステンレス鋼を熱処理によって強力化できるように改良した鋼種です。
  2. 耐食性はオーステナイト系には及びませんが、クロム系よりは優れています。

 

焼入鋼

鋼種 化学成分(%)
C Si Mn P S Cr Ni Mo V
SUS420J2

0.26~
0.40

≦1.00 ≦1.00 ≦0.04 ≦0.03 12.00~
14.00
     
DSR1K6 0.55~
0.65
≦1.00 ≦1.00     13.00~
14.50
≦0.50 0.10 添加

マルテンサイト系

  1. 焼入によって硬化します。
  2. 生材の耐食性はステンレス鋼中最も劣りますが、完全焼入状態で表面を研磨その他の方法で平滑にした場合はかなり良くなります。
  3. すべての状態で磁性があります。

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機械的性質

圧延加工と機械的性質|ばね用ステンレス鋼非磁性ステンレス鋼
フェライト系ステンレス鋼析出硬化系ステンレス鋼焼入鋼

 

代表的鋼種の圧延加工と機械的性質の関係図

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ばね用ステンレス鋼の機械的性質

種 別 記 号 圧 延 の ま ま 低 温 焼 鈍 後 曲げ加工性
硬 さ
HV
引張強さ
H/mm2
伸び
バネ限界値
N/mm2
硬 さ
HV
引張強さ
H/mm2
伸び
バネ限界値
N/mm2
SUS 301 SEH ≧530 ≧1810   (≧650) ≧550 ≧1940   (≧880)  
EH ≧490 ≧1570   (≧590) ≧505 ≧1665   (≧785)  
H ≧430 ≧1320   (≧490) ≧440 ≧1400   (≧655) (注3)4tR90°
曲げ可能
3/4H ≧370 ≧1130 ≧ 5 (≧390) ≧380 ≧1175 ≧ 4 (≧540) 2.5tR90°
曲げ可能
1/2H ≧310 ≧ 930 ≧10 (≧315) ≧315 ≧ 960 ≧ 8 (≧390) 2tR90°
曲げ可能
1/4H ≧250 ≧ 860 ≧25   ≧253 ≧ 880 ≧20   1tR90°
曲げ可能
SUS 304 H ≧370 ≧1130   (≧390) ≧385 ≧1195   (≧590) (注3)2tR90°
曲げ可能
3/4H ≧310 ≧ 930 ≧ 3 (≧335) ≧320 ≧ 970 ≧ 2 (≧430) 2.5tR90°
曲げ可能
1/2H ≧250 ≧ 780 ≧ 6 (≧275) ≧255 ≧ 805 ≧ 4 (≧315) 2tR90°
曲げ可能

[注]

  1. 引張試験片はJIS13B号試験片
  2. 繰返しタワミ試験のタワミ係数は167,000N/mm2
  3. 圧延直角方向の曲げ性の良い方向での曲げ
  4. ( )は参考値

タワミ係数

ばね用ステンレス鋼のタワミ係数(ヤング率)は、軟質のものが最も高く圧延によって低下いたしますが、通常の使用範囲ではSUS 301、304で167,000N/mm2、SUS 631のCH状態で186,000N/ mm2であり、弊社では、ばね限界値の計算にこれを標準として用いています。
銅合金(りん青銅98,000N/mm2、ベリリウム銅118,000N/mm2、洋白127,000N/mm2)または、焼入鋼(206,000N/mm2)のばねを置換される場合は、厚さまたは幅を加減されることが必要です。

〔例〕厚さt、幅b、長さ 000108_clip_image002.gifの長方形ばねで自由端に荷重Wが作用した時の自由端のたわみδは

000108_clip_image002_0000.jpg 000108_clip_image002_0001.jpg

このばねで例えばベリリウム銅をSUS301へ置換される場合、同一たわみとするには

(1)SUS301の厚さ(t2)だけを変える時は

SUS301の厚さ(t2)だけを変える時は    t1……ベリリウム銅の厚さ

(2)SUS301の幅(b2)だけを変える時は

SUS301の幅(b2)だけを変える時は     b1……ベリリウム銅の幅

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非磁性ステンレス鋼の機械的性質

硬さ(HV)
引張強さ
耐力
伸び
エリクセン値
曲げ性
140
560N/mm2
215N/mm2
62%
11.8
180°密着良

冷間圧延と企画的性質


冷間圧延と透磁率

(データは日新製鋼技術資料より)

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フェライト系ステンレス鋼の機械的性質

鋼種 HV250 HV320
引張強さ
(N/mm2)
伸び
(%)
引張強さ
(N/mm2)
伸び
(%)
FS-1
650~850
4~7
900~1,200
0.5~2
SUS430
720~920
1~3
-
-
SUS304
750~950
30~45
800~1,100
20~35

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析出硬化系ステンレス鋼の機械的性質

SUS631SUS632J1

 

SUS631

素材 区分 素材状態 析出硬化処理後
硬さ 引張強さ 伸び V曲げ W曲げ 硬さ 引張強さ 耐力 バネ限界値
A材 TH1050 ≦200 ≦1030 ≧20 0.5tR90° 1.0tR90° ≧345 ≧1140 ≧960 ――
RH950 ≧392 ≧1230 ≧1030 ――
C材 1/2H ≧350 ≧1080 ≧5 1.5tR90° 2.0tR90° ≧380 ≧1230 ≧880 ≧635
3/4H ≧400 ≧1180 ―― ―― ―― ≧450 ≧1420 ≧1080 ≧835
H ≧450 ≧1420 ―― ―― ―― ≧530 ≧1720 ≧1320 ≧980
EH ≧480 ≧1620 ―― ―― ―― ≧560 ≧1900 ≧1570 ――


ご使用上の注意事項

  1. 熱処理温度がかなり高いため、できるだけ光輝雰囲気(真空、H2、N2、AXガス等)中で処理されることをおすすめします。止むを得ず着色が生じた場合、H処理のような低温スケールは10%塩酸→30%硝酸、または15%硝酸+2%弗酸(硝弗酸)で除去できます。T処理、R処理のような高温スケールは、苛性ソーダ+30%硝酸ソーダ溶融塩→硝弗酸10%苛性ソーダ+3%過マンガン酸カリ煮沸溶液→硝弗酸で除去できます。この他、機械的な研磨やブラスト、ピーニング等で除去することも行われています。
  2. R処理の低温への冷却(サブゼロ処理)は、簡単には断熱容器にアルコールまたはアセトンとドライアイスを混合して入れると73℃近辺の適温が得られます。連続的に多量処理される場合は冷凍機が使用されます。

 

SUS632J1

区分 素材状態 析出硬化処理後
耐力
N/mm2
硬さ
HV
引張強さ
N/mm2
耐力
N/mm2
硬さ
HV
引張強さ
N/mm2
バネ限界値
N/mm2
1/2H - ≦350 ≦1200 ≧1250 ≧400 ≧1300 ≧1200
3/4H - ≦420 ≦1450 ≧1500 ≧480 ≧1550 ≧1400

(1) SUS632J1は方向性や靱性を害するような強い冷間圧延率を加えなくてもかなり強い強度が得られるため、強度と靱性を併せ要求されるような用途に適しています。
例えば成形加工があるような用途には圧延率15%以下、打抜き加工の場合は10~15%、薄物のバネ性の要求されるものには30~60%の圧延率で仕上げたものが適しています。

(2) 固溶化熱処理条件は1020~1060℃急冷、析出硬化処理条件は480℃1hが適当です

(3) PH……析出硬化(Precipitation Hardening)

(データーは日新製鋼技術資料より)

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焼入鋼の機械的性質

鋼種 仕上状態 硬さ試験 引張試験
HV 引張強さ
(N/mm2)
伸び(%)
SUS420J2 焼鈍仕上 155~200 540~655 20~30
  強圧延仕上 280~320 880~1030 1~3

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FS-1の耐食性

孔食電位の試験結果

孔食電位の試験結果

FS-1は、SUS304とSUS430の中間の 耐孔食性を有します。

 

非磁性ステンレス鋼の物理的性質

密度
比熱
電気抵抗
ヤング率
熱膨脹係数
熱伝導率
37.93Mg/m
502J/(kg・K)
72μΩ・cm

N/mm2
193,000

(20°~100℃)
17.3×10-6/K
W/(m・K)
16.3(100℃)

 

焼入鋼の物理的性質

鋼種 密度 比熱 電気抵抗 ヤング率 熱膨脹数 熱伝導率
SUS420J2

Mg/m3
7.74

J/(kg・K) 
502
μΩ・cm
100
N/mm2
196,000
(25°~100℃)
10.9×10-6/K
W/(m・K)
15.9(100℃)

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仕上

仕上 説明
BA仕上 冷間圧延後、光輝焼鈍を施したもので、最も軟らかく硬度で複雑な加工品に適しています。
スキンパス仕上
(2B仕上)
焼鈍後、軽く圧延したもので適当な光沢と平滑さが得られます。圧延でやや硬くなりますが、加工性はBA仕上のものとほぼ同じで、特に焼鈍したフェライト系ステンレス鋼に出やすいストレッチャーストレインの防止にも役立ちます。
ダル仕上
(2D仕上)
圧延ロールの肌を一様に粗くして冷間圧延を施し、表面を梨地状の光沢の無い状態に仕上たものです。
4号研磨仕上
(400番研磨仕上)
通常は光輝焼鈍後、バフで400番程度に研磨したもので、両面研磨と片面研磨の2種類があります。この仕上の加工性は、BA仕上のものとほぼ同じです。
7号研磨仕上
(準鏡面研磨仕上)
4号研磨以上に細かい研磨材とバフによって仕上たもので、硬度の平滑さと光沢があります。加工性は4号研磨仕上のものと同じです。
HL仕上
(ヘアライン仕上)
用途やご希望に適した粗さの研磨材で、連続した磨き目がつくように研磨して仕上たものです。
ロール仕上 スキンパス仕上以上に強く圧延したもので、深い光沢と平滑さがあります。また圧延の程度によって広範囲の強度のものが得られますが、方向性の増加や伸びの減少で複雑な加工は出来ません。SUS301、SUS304、SUS631等については、圧延の程度を1/4H、1/2H、3/4H、H等に分けて規定しています。

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熱処理性

共通熱処理性|ばね用ステンレス鋼の低温焼鈍

共通熱処理性

焼鈍

焼鈍は次のような場合行います。

  1. 冷間加工等で硬くなった材料の軟化
  2. 粒界腐食の防止
  3. 析出物または必要成分等の固溶化
  4. オーステナイト系の加工による磁性の除去

標準的な焼鈍条件は次の通りです。

オーステナイト系 1010~1150℃ 急冷
マルテンサイト系 750~ 850℃ 徐冷
フェライト系 780~ 850℃ 急冷または徐冷

 

ばね用ステンレス鋼の低温焼鈍

ばね用ステンレス鋼は圧延のままでも使用できますが、強いバネ性をご希望の場合は部品加工後400℃位で低温焼鈍を施されることをおすすめします。この低温焼鈍は加工の後で行なうことが必要で、予め低温焼鈍を施したものに加工を加えますと低温焼鈍の効果がなくなります。低温焼鈍の条件としては400~420℃で1~2時間加熱するのが最適で、最高の性能が得られます。製品の性能、設備、作業条件によっては200~450℃で適当時間処理しても構いません。空気中の低温焼鈍によって表面に酸化皮膜(黄金色)が生じますが、この皮膜は弱塩酸または機械的表面処理等によって簡単に除去できます。なおこの400~420℃の低温焼鈍温度は機械的性質については最高の性能が得られますが、耐食性がやや悪くなりますので耐食性を重視される場合は、350℃以下の温度で処理されることをお奨めします。また材料表面に汚れた油やごみ等の異物が付着したまま低温焼鈍を行ないますと焼付を生じ、耐食性を害しますので事前にできる限り清浄にすることが必要です。

▼ 低温焼鈍の効果(HT) ▼
htmap.jpg

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加工性

共通加工性|ばね用ステンレス鋼の異方性

仕上 説明
フェライト系 フェライト系ステンレス鋼の機械的性質や加工性は中炭素鋼とほぼ同様です。焼鈍仕上のものは、軟鋼にみられるストレッチャーストレインが生じ易いのでこれを避けるためには、スキンパス仕上のものを使用する必要があります。
マルテンサイト系 マルテンサイト系ステンレス鋼は、低炭素のものではフェライト系ステンレス鋼よりも加工が容易です。高炭素になると焼鈍仕上でも硬くなるため、複雑な加工は困難です。
オーステナイト系 焼鈍仕上のオーステナイト系ステンレス鋼は引張強さにくらべ耐力が著しく小さいこと、伸びが大きいことが特長です。あらゆる複雑な加工にも耐える優れた材料ですが、強靱でしかも加工硬化やスプリングバックが非常に大きいため加工機械、型、潤滑油、作業法等に特別な配慮が必要です。以上述べました軟質材以外の圧延仕上のものは強度の増加と共に方向性が強くなりますから、特に曲げ加工の場合、曲げ方向の選択が必要です。

 

ステンレス鋼打抜きのときの標準クリアランス

鋼  種

引 張 強 さ

せん断抵抗

標準クリアランス

SUS 304

590~685N/mm2

470~550N/mm2

厚さ×7~11%

SUS 430

440~540N/mm2

370~440N/mm2

厚さ×6~10%


ステンレス鋼加工の限界
鋼種 最小曲げ半径 限 界 絞 り 比*
両面潤滑 ポンチ頭無潤滑
SUS 304 厚さの 0.5倍 2.12 2.16
SUS 430 0.5~1.0倍 2.00 1.95
軟鋼(リムド鋼) 0.5倍 2.18 2.24

*板厚1.0mm ポンチ径48mm ダイス肩、ポンチ頭5.0mmR

 

ばね用ステンレス鋼の異方性

ばね用ステンレス鋼は、冷間圧延によって製造されていますので、必然的に異方性を有しています。ことにばね性の高いものほど圧延率が高いため異方性も強くなりますのでご使用に際しては異方性を考慮されることが必要であります。
一般に強度(引張強さ、ばね限界値、降伏点、弾性率等)は圧延方向に直角な方向が強く、平行な方向が最も弱くなります。伸びはその逆の傾向を示します。従って曲げ加工は、曲げ軸が圧延方向に直角ないしは45°方向位までに収まるように材料取りに当ってご注意下さい。
また強度の高い材料ほど靱性が乏しくなり、スプリングバックが大きくなりますので、加工条件を十分ご検討の上ご使用下さい。

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