特殊鋼詳細
| 種類 | 鋼種 | 特性データ |
|---|---|---|
| 共通データ | 化学成分|機械的性質|仕上|加工性|熱処理性 | |
| 炭素鋼 | S15C S45C S50C S55C S60C S65C |
炭素鋼は炭素工具鋼より炭素量が低目で、不純成分の規制も緩やかになっており、ある程度の強度と粘り強さを必要とするような一般的な用途に適しています。炭素量の低いものは、生材の加工性は良くなりますが焼入のムラが生じ易いので温度管理、冷却方法等の注意が必要です。用途としては事務機、電気、機械等の構造部品やバネ、座金、クラッチ部品、トムソン刃、ベアリング部品等に使われています。 |
| カミソリ鋼 | TE2 | カミソリ鋼は成分の調整及び製造履歴の厳重な管理によって焼入性を増し、炭化物を微細化して、切れ味耐摩耗性を高めた材料で、カミソリ替刃、長刃、高級刃物等に使用されます。 |
| 炭素工具鋼 | SK2 SK4 SK5 SK6 SK7 |
炭素工具鋼は、みがき特殊帯鋼のうち、その加工性、焼入性、製品性能、価格等で最も広く使われています。用途としては刃物、切削具、工具のように硬いものからバネ、ゼンマイ、メリヤス針、ホーン、メジャーテープ、座金のように弾性や靭性を必要とするもの迄、あらゆる分野に使用されています。 |
| 合金工具鋼 | SKS2 SKS51 SKS7 |
SKS2とSKS7は高炭素鋼にタングステン、クロムを添加して細かく硬い複炭化物を分散させた鋼種で、耐摩耗性や高温強度に優れ、カッター、ハクソー、メタルバンドソー等に使用されています。また、SKS51はニッケル、クロムの添加で靭性を高めた材料で、バンドソー、カッター等に使われています。 |
| 高清浄鋼 | TNS4 | 普通の製造条件で作られた一般鋼材は、その製鋼過程で多少の非金属介在物の混入は避けられず、高信頼性が要求される用途では、時として問題になる場合があります。これらはSK4に相当する高清浄鋼で、従来の製鋼過程に特殊な精錬工程を追加して、介在物を減少させるようにしたもので、特に寿命や疲労特性が重視される用途に適しています。 |
| M2 | M2は、高炭素(C)、高マンガニン(Mn)、高クロム(Cr)で耐摩耗性アップと低リン(P)、低硫黄(S)による高い清浄度で耐久性の向上を狙っています。また、良好な熱処理特性、高い清浄度と十分に管理された材料表面により、高い信頼性を要求されるメリヤス針関連部品にご使用頂いております。 |
|
| クロムモリブデン鋼 | SCM415 | クロムモリブデン鋼は代表的な構造用合金鋼で、焼入、焼戻を行うことによって中程度の強度と粘り強さが得られる材料です。これらの素材は硬さも低く加工性に富んでおります。また合金成分の効果で焼入性がよく多少冷却速度が遅くても焼が入り、歪の発生も少なくなります。SCM415は肌焼鋼で通常浸炭し、表面を硬化させて使用します。用途としては事務機、電気、機械部品、トムソン刃、チェーン部品等に使われています。 |
| 共通データ | 化学成分|機械的性質|仕上|加工性|熱処理性 | |
化学成分
炭素鋼|カミソリ鋼・炭素工具鋼・合金工具鋼|高清浄鋼|クロムモリブデン鋼
| 種類 | 鋼種 記号 |
化学成分(%) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C | Si | Mn | P | S | 不純物 | ||
炭素鋼 JIS |
S15C | 0.13~ 0.18 |
0.15~ 0.35 |
0.30~ 0.60 |
≦0.030 | ≦0.035 | Cu≦0.30
|
| S45C | 0.42~ 0.48 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦0.030 | ≦0.035 | ||
| S50C | 0.47~ 0.53 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦0.030 | ≦0.035 | ||
| S55C | 0.52~ 0.58 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦0.030 | ≦0.035 | ||
| S60C | 0.55~ 0.65 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦0.030 | ≦0.035 | ||
| S70C | 0.65~ 0.75 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦0.030 | ≦0.035 | ||
カミソリ鋼・炭素工具鋼・合金工具鋼
| 種類 | 鋼種 記号 |
化学成分(%) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C | Si | Mn | P | S | Cr | Ni | W | 不純物 | ||
| カミソリ鋼 | TE2 | 1.20~ 1.30 |
0.15~ 0.35 |
≦0.35 | ≦0.030 | ≦0.02 | 0.30~ 0.50 |
Cu≦0.25 |
||
炭素工具鋼 JIS |
SK2 | 1.20~ 1.30 |
≦0.20 | ≦0.35 | ≦0.025 | ≦0.02 | 0.30~ 0.50 |
Cu≦0.25 Ni≦0.25 |
||
| SK4 | 0.90~ 1.00 |
≦0.35 | ≦0.50 | ≦0.030 | ≦0.03 | Cu≦0.25 Ni≦0.25 Cu≦0.30 |
||||
| SK5 | 0.80~ 0.90 |
≦0.35 | ≦0.50 | ≦0.030 | ≦0.03 | |||||
| SK6 | 0.70~ 0.80 |
≦0.35 | ≦0.50 | ≦0.030 | ≦0.03 | |||||
| SK7 | 0.60~ 0.70 |
≦0.35 | ≦0.50 | ≦0.030 | ≦0.03 | |||||
合金工具鋼 JIS |
SKS2 | 1.00~ 1.10 |
≦0.35 | ≦0.80 | ≦0.030 | ≦0.03 | 0.50~ |
1.00~ 1.50 |
Cu≦0.25 Ni≦0.25 |
|
| SKS51 | 0.75~ |
≦0.35 | ≦0.50 | ≦0.030 | ≦0.03 | 0.20~ |
1.30~ 2.00 |
|||
| SKS7 | 1.10~ 1.20 |
≦0.35 | ≦0.50 | ≦0.030 | ≦0.03 | 0.20~ |
2.00~ 2.50 |
|||
高清浄鋼
| 種類 | 鋼種 記号 |
化学成分(%) | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C | Si | Mn | P | S | Cr | その他 | 不純物 | ||
| 高清浄鋼 | TNS4 | 0.90~ 1.00 |
0.15~ 0.30 |
0.35~ 0.50 |
≦0.030 | ≦0.070 | 0.15~ 0.30 |
Cu≦0.25 |
|
| M2 | 1.00 | 0.22 | 0.66 | 0.020 | 0.004 | 0.38 | Mo 0.02~ 0.03 |
||
クロムモリブデン鋼
| 種類 | 鋼種 記号 |
化学成分(%) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C | Si | Mn | P | S | Cr | Ni | Mo | 不純物 | ||
クロムモリブデン鋼 JIS |
SCM415 (旧SCM21) |
0.13~ 0.18 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.85 |
≦0.030 | ≦0.030 | 0.90~ 1.20 |
≦0.030 | 0.15~ 0.30 |
Cu≦0.30 |
機械的性質
炭素鋼|カミソリ鋼・炭素工具鋼・合金工具鋼|高清浄鋼|クロムモリブデン鋼
| 鋼種 | 仕上状態 | 硬さ試験 | 引張試験 | |
|---|---|---|---|---|
| HV | 引張強さ N/mm2 | 伸び% | ||
| S15C S45C S50C S55C S60C |
焼鈍仕上 | 140~180 | 410~610 | 28~39 |
| スキンパス仕上 | 155~195 | 460~655 | 16~36 | |
| ロール仕上 | 230~270 | 705~900 | 3~17 | |
| 強圧延仕上 | 250~290 | 775~970 | 1~5 | |
| S70C |
焼鈍仕上 | 145~185 | 440~615 | 27~38 |
| スキンパス仕上 | 160~200 | 490~665 | 15~35 | |
| ロール仕上 | 235~275 | 715~920 | 3~16 | |
| 強圧延仕上 | 255~295 | 795~990 | 1~5 | |
焼鈍仕上: |
焼鈍のまま | |||
スキンパス仕上: |
圧延率5%以内 | |||
ロール仕上: |
圧延率15~40% | |||
強圧延仕上: |
圧延率35%以上 | |||
(注):引張試験片は圧延方向よりとったJIS6号試験片によります。 |
||||
カミソリ鋼・炭素工具鋼・合金工具鋼
| 鋼種 | 仕上状態 | 硬さ試験 | 引張試験 | |
|---|---|---|---|---|
| HV | 引張強さ N/mm2 | 伸び% | ||
| TE2 SK2 |
焼鈍仕上 | 170~210 | 520~685 | 20~32 |
| スキンパス仕上 | 190~230 | 570~715 | 10~28 | |
| ロール仕上 | 250~290 | 735~980 | 2~15 | |
| 強圧延仕上 | 280~320 | 835~1080 | 1~3 | |
| SK4 |
焼鈍仕上 | 160~200 | 490~645 | 24~35 |
| スキンパス仕上 | 175~215 | 540~695 | 12~32 | |
| ロール仕上 | 245~285 | 725~970 | 2~15 | |
| 強圧延仕上 | 270~310 | 825~1040 | 1~4 | |
| SK5 SKS51 |
焼鈍仕上 | 150~190 | 460~625 | 26~37 |
| スキンパス仕上 | 170~210 | 510~685 | 15~35 | |
| ロール仕上 | 240~280 | 725~930 | 3~16 | |
| 強圧延仕上 | 260~300 | 805~1000 | 1~5 | |
| SK6 |
焼鈍仕上 | 145~185 | 440~615 | 27~38 |
| スキンパス仕上 | 160~200 | 490~665 | 15~35 | |
| ロール仕上 | 235~275 | 715~920 | 3~16 | |
| 強圧延仕上 | 255~295 | 795~990 | 1~5 | |
| SK7 |
焼鈍仕上 | 140~180 | 410~610 | 28~39 |
| スキンパス仕上 | 155~195 | 460~655 | 16~36 | |
| ロール仕上 | 230~270 | 705~900 | 3~17 | |
| 強圧延仕上 | 250~290 | 775~970 | 1~5 | |
| SKS2 |
焼鈍仕上 | 190~230 | 615~715 | 20~30 |
| 強圧延仕上 | 280~320 | 835~1080 | 1~3 | |
| SKS7 |
焼鈍仕上 | 200~240 | 645~735 | 20~28 |
| 強圧延仕上 | 300~340 | 880~1125 | 1~3 | |
焼鈍仕上: |
焼鈍のまま | |||
スキンパス仕上: |
圧延率5%以内 | |||
ロール仕上: |
圧延率15~40% | |||
強圧延仕上: |
圧延率35%以上 | |||
(注):引張試験片は圧延方向よりとったJIS6号試験片によります。 |
||||
高清浄鋼
| 鋼種 | 仕上状態 | 硬さ試験 | 引張試験 | |
|---|---|---|---|---|
| HV | 引張強さ N/mm2 | 伸び% | ||
| TNS4 | 焼鈍仕上 | 160~200 | 490~645 | 24~35 |
| スキンパス仕上 | 175~215 | 540~695 | 12~32 | |
| ロール仕上 | 245~285 | 725~970 | 2~15 | |
| 強圧延仕上 | 270~310 | 825~1040 | 1~4 | |
焼鈍仕上: |
焼鈍のまま | |||
スキンパス仕上: |
圧延率5%以内 | |||
ロール仕上: |
圧延率15~40% | |||
強圧延仕上: |
圧延率35%以上 | |||
(注):引張試験片は圧延方向よりとったJIS6号試験片によります。 |
||||
TNS4のS-N曲線 |
![]() |
クロムモリブデン鋼
| 鋼種 | 仕上状態 | 硬さ試験 | 引張試験 | |
|---|---|---|---|---|
| HV | 引張強さ N/mm2 | 伸び% | ||
| SCM415 |
焼鈍仕上 | 125~165 | 335~540 | 28~50 |
| 強圧延仕上 | 200~240 | 655~735 | 1~8 | |
焼鈍仕上: |
焼鈍のまま | |||
スキンパス仕上: |
圧延率5%以内 | |||
ロール仕上: |
圧延率15~40% | |||
強圧延仕上: |
圧延率35%以上 | |||
(注):引張試験片は圧延方向よりとったJIS6号試験片によります。 |
||||
仕上
| 仕上状態 | 仕上圧延率 |
|---|---|
| 焼鈍仕上 | —(焼鈍のまま) |
| スキンパス仕上 | 5%以内 |
| ロール仕上 | 15~40% |
| 強圧延仕上 | 35%以上 |
加工性
切断・せん断・打抜き
|
![]() |
〔参考〕せん断力概算式(打抜き) P=ltS |
l…せん断長さ t…板厚 S…せん断抵抗(約0.8×材料の引張強さ) |
曲げ
- 軽い曲げ加工の場合は圧延仕上のものが使われることもありますが、通常焼鈍仕上、またはスキンパス仕上のものが使用されています。
- 帯鋼は一般に方向性があり、特に圧延仕上のものは方向性が強いので、圧延方向に平行な曲げは避け、できるだけ圧延方向に直角または交叉するような、曲げが出来る板取を考える必要があります。
- 切断、せん断加工後、かえりが曲げ外面に出るような曲げ加工を行いますと、かえり部から亀裂が入ることがありますので、かえり部を曲げ内面にする、またはかえり取りの後に曲げ加工を行う等の配慮が必要です。
- 曲げ加工の際、材料のスプリングバックは加工の程度、材料の仕上状態によっても異なりますが、型、加工法により適当な補正が必要です。
- 曲げ加工性は材質、加工条件により異なりますが、仕上状態別におよそ次の程度の加工が可能です。(主としてSK5以下の低炭素鋼を対象とします)
| 仕上状態 | 厚さ1mm未満 | 厚さ1mm以上 | ||
| 焼鈍仕上 | ![]() |
![]() |
||
| スキンパス仕上 | ![]() |
![]() |
||
| 圧延仕上 (軽度) |
![]() |
|
||
| [注]t…板厚 R…曲げの内側半径 | ||||
| 〔参考〕曲げ力概算式 | ||||
| V型ダイス… | P=0.6bt2σB/L | b…板幅 t…板厚 | ||
| U型ダイス… | P=0.6bt2σB(1+t/L ) | σB…材料の引張強さ L…ダイス溝幅 | ||
絞り
|
|||
| 普通平板絞りの場合:絞り率=0.4 | 再絞りの場合:絞り率=0.6とされております | ||
| 絞り率=d/D | d…絞られる製品の直径 D…絞る前の円板の直径 | ||
| 〔参考〕絞り力概算式(丸絞り) | |||
| P=πdtσBm | t…板厚 m…補正係数(普通0.4~1.0) σB…材料の引張強さ | ||
熱処理性
炉温と材料温度|前処理と雰囲気|焼入|焼戻|焼鈍|代表的な焼入焼戻曲線
炉温と材料温度
一般に熱処理を行う場合、熱処理炉の炉温を測定し、それを材料加熱温度としていますが、真の材料温度と測定炉温との間に大きいズレやムラを生ずることがありますので、温度特性をよく調べて適当な温度補正や熱処理法の変更を行う必要があります。
前処理と雰囲気
みがき特殊帯鋼は、高炭素になるほど脱炭しやすく、特に焼入のような高温加熱の場合は危険が増大します。また、材料に汚れや異物が付着したまま過熱しますと高温焼付や高温腐食が生じます。このため熱処理に先立って、材料表面を清浄にする前処理や炉内雰囲気を調整することが必要です。
炉内雰囲気として標準的なものは焼入にはRXガス、焼鈍にはNXガスですが、このほかN2ガス、H2ガス、AXガス等も使われています。(雰囲気ガスは用語の解説参照)
また中性塩浴炉、金属浴炉や炉心管、ケース等を使用して直接外気に触れないようにする方法もとられています。
焼入
| 鋼種 | 焼入温度℃ | |
|---|---|---|
| S15C | 800~860水冷 | |
| S45C | 800~860水冷 | |
| S50C | 800~860水冷 | |
| S55C | 800~860水冷 | |
| S60C | 800~860水冷 | |
| S70C | 790~850油冷 | |
| TE2 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK2 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK4 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK5 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK6 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK7 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SKS2 | 830~880油冷 | |
| SKS51 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SKS7 | 830~880油冷 | |
| TNS4 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| M2 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SCM415 | 1次:850~900油冷 | 2次:800~850油冷 |
焼入には通常上記準備焼入温度のほぼ中心値を選んで材質、寸法、形状、要求される性能、焼入方法等に応じ数十秒ないし数分間保持します。
焼入条件は製品性能に大きく影響し焼入温度が高すぎたり、保持時間が長すぎたりしますと結晶粒の粗大化や靭性の低下をきたし、また脱炭の危険も増えます。逆の場合は完全に硬化しなかったり、一部軟点を生じたりしますので適正な条件を選ばなければなりません。
冷却には一般に油または水が用いられます。水冷のほうが油冷よりも硬く焼が入りますが、焼入歪、焼われ等の危険があるため、みがき特殊帯鋼の場合は一部特例を除き、油冷が採用されています。焼入歪を防止するため油温を高めてマルテンパー処理を施したり、特殊な例では塩浴、金属浴中への焼入(オーステンパー処理)も行われています。
またリボン条の材料や単純な形状の場合は、定盤焼入やプレスクエンチング等が行われています。
焼戻
焼入を行なった材料は、要求される硬度がどのように高い場合でも、必ず焼戻を施さなければなりません。焼戻条件は、夫々の製品が要求する性能に応じ、テストやその鋼種の焼入焼戻性能曲線等を参考にして選びます。
みがき特殊帯鋼の場合、質量が小さくまた連続的な焼戻作業が行われることが多いので、焼戻時間としては特に粘り強さを必要とする場合に長時間焼戻を行なうこともありますが、一般には数分以内の短時間焼戻を行なっている場合が多いようです。また連続作業上、短時間しかとれない場合、焼戻温度をやや高目にしたり繰り返し焼戻を行なうこともあります。
しかし焼戻は、原則として高温短時間で行なうより低温長時間で行なう方が靱性が大きくなりますので、必要以上に焼戻炉を短かくしたり、焼戻温度を高くしすぎたり、時間を短かくしたりすることは避けなければなりません。
また油浴、金属浴、塩浴等により焼戻を行なう場合は、空中焼戻よりも時間を短縮することができます。
焼鈍
材料の軟化や歪取りのため焼鈍を行なうことがありますが、この焼鈍温度としては600~700℃が適当です。温度が高すぎると組織が変化したり脱炭やスケール発生の危険が生じますので、一般にはやや低目の温度を選んだ方が無難です。保持時間は数分ないし30分位保持して徐冷しますが、徐冷は200℃位まで行ない、それ以下は放冷しても差し支えありません。
代表的な焼入焼戻曲線
| S60Cの焼入焼戻性能曲線 | |
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| TE2の焼入焼戻性能曲線 | |
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| SK5の焼入焼戻性能曲線 | |
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| SKS51の焼入焼戻性能曲線 | |
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SKS7の焼入焼戻性能曲線 |
|
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TNS4の焼入焼戻性能曲線 |
|
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M2の焼入焼戻性能曲線 |
|
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耐衝撃性
M2の焼戻温度-靭性曲線 |
|
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清浄度
M2の清浄度
| dA | dB | dC | dT |
| 0.013 | - | - | 0.013 |


















