各種特殊鋼(SK2,SK4,SK5,SK6,SK7)
特徴
当社のSK材は板厚0.1mm以下の箔という極薄まで製造しています。また、板厚公差・硬度公差等は業界随一の品質の高さを誇ります。SK材の多くは加工前または後に熱処理をするのが一般的です。当社のSK材は熱処理後の表面粗さが最適な状態に保たれているため黒染め後理想的な製品仕上がりになるとお客様より好評を得ています。
用途
ドットプリンター、スペーサー、メリヤス針、各種板ばね
当社のメリット
- 成分調整、製造履歴の厳重管理による高清浄化や組織の微細化により極めて高い品質を誇ります。
- 小ロット対応で300kg~製造可能です。
- 硬度を調整することができます。
- 薄物の材料を製造できます。
- 厳しい板厚公差が製造できます:一般材では保証できないより精密な板厚公差で製造できます。
- 表面状態は、ブライト仕上げ(光沢あり)とダル(梨地模様)仕上げが可能。
| 種 類 | 鋼種記号 | 化学成分(%) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C | Si | Mn | P | S | Cr | Ni | その他 | |||
| カミソリ鋼 | TE 2 (SKS81M) |
1.20~ 1.30 |
0.15~ 0.35 |
≦ 0.35 |
≦ 0.030 |
≦ 0.020 |
0.30~ 0.50 |
≦ 0.25 |
Cu≦ 0.25 |
|
| 炭素工具鋼 JIS G 3311 (4401) |
SK2 M (SK-120M) |
1.15~ 1.30 |
0.10~ 0.35 |
0.10~ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
≦ 0.30 |
≦ 0.25 |
Cu≦ 0.25 |
|
| SK 4M (SK-95M) |
0.90~ 1.00 |
0.10~ 0.35 |
0.10~ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
≦ 0.30 |
≦ 0.25 |
|||
| SK 5M (SK-85M) |
0.80~ 0.90 |
0.10~ 0.35 |
0.10~ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
≦ 0.30 |
≦ 0.25 |
|||
| SK 6M (SK-75M) |
0.70~ 0.80 |
0.10~ 0.35 |
0.10~ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
≦ 0.30 |
≦ 0.25 |
|||
| SK 7M (SK-65M) |
0.60~ 0.70 |
0.10~ 0.35 |
0.10~ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
≦ 0.30 |
≦ 0.25 |
|||
| 高清浄鋼 | TNS 4 | 0.90~ 1.00 |
0.15~ 0.35 |
0.35~ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.007 |
0.20~ 0.30 |
≦ 0.25 |
Cu≦ 0.25 |
|
| M 2 | 0.95~ 1.05 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.80 |
0.026 | 0.010 | 0.35~ 0.45 |
≦ 0.25 |
Mo 0.02~ 0.03 |
||
| 合金工具鋼 JIS G 3311 (4404) |
SKS 2M | 1.00~ 1.10 |
≦ 0.35 |
≦ 0.80 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
0.50~ 1.00 |
≦ 0.25 |
W 1.00~ 1.50 |
Cu≦ 0.25 |
| SKS 51M | 0.75~ 0.85 |
≦ 0.35 |
≦ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
0.20~ 0.50 |
1.30~ 2.00 |
|||
| SKS 7M | 1.10~ 1.20 |
≦ 0.35 |
≦ 0.50 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
0.20~ 0.50 |
≦ 0.25 |
W 2.00~ 2.50 |
||
| 炭素鋼 JIS G 3311 (4051) |
S 70 CM | 0.65~ 0.75 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦ 0.030 |
≦ 0.035 |
≦ 0.20 |
≦ 0.20 |
||
| S 60 CM | 0.55~ 0.65 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦ 0.030 |
≦ 0.035 |
≦ 0.20 |
≦ 0.20 |
Cu≦ 0.30 S55C~ S15C Ni±Cr ≦ 0.35 |
||
| S 55 CM | 0.52~ 0.58 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦ 0.030 |
≦ 0.035 |
≦ 0.20 |
≦ 0.20 |
|||
| S 50 CM | 0.47~ 0.53 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦ 0.030 |
≦ 0.035 |
≦ 0.20 |
≦ 0.20 |
|||
| S 45 CM | 0.42~ 0.48 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.90 |
≦ 0.030 |
≦ 0.035 |
≦ 0.20 |
≦ 0.20 |
|||
| S 15 CM | 0.13~ 0.18 |
0.15~ 0.35 |
0.30~ 0.60 |
≧ 0.030 |
≧ 0.035 |
≦ 0.20 |
≦ 0.20 |
|||
| クロムモリブデン鋼 JIS G 3311 (4105) |
SCM 415M | 0.13~ 0.18 |
0.15~ 0.35 |
0.60~ 0.85 |
≦ 0.030 |
≦ 0.030 |
0.90~ 1.20 |
≦ 0.25 |
Mo 0.15~ 0.30 |
Cu≦ 0.30 |
〔注〕 記号末尾のMはJISみがき特殊帯鋼該当鋼種(以下Mは省略いたします)
| 種類 | 鋼種記号 | 特 性 |
|---|---|---|
| カミソリ鋼 | TE2 | カミソリ鋼は成分の調整および製造履歴の厳重な管理によって焼入性を増し、炭化物を微細化して、切れ味耐磨耗性を高めた材料で、カミソリ替刃、長刃、高級刃物等に使用されています。 |
| 炭素工具鋼 | SK2 SK4 SK5 SK6 SK7 |
炭素工具鋼は、みがき特殊帯鋼のうち、その加工性、焼入性、製品性能、価格等で最も広く使われています。 |
| 高清浄鋼 | TNS4 M2 |
普通の製造条件で作られた一般鋼材は、その製鋼過程で多少の非金属介在物の混入は避けられず、高信頼性が要求される用途では、時として問題になる場合があります。 |
| 合金工具鋼 | SKS2 SKS7 SKS51 |
SKS2とSKS7は高炭素鋼にタングステン、クロムを添加して細かく硬い複炭化物を分散させた鋼種で、耐磨耗性や高温強度に優れ、カッター、ハクソー、メタルバンドソー等に使用されています。 |
| 炭素鋼 | S70C S60C S55C S50C S45C S15C |
炭素鋼は炭素工具鋼より炭素量が低目で、不純成分の規制も緩やかになっており、ある程度の強度と粘り強さを必要とするような一般的な用途に適しています。炭素量の低いものは、生材の加工性はよくなりますが焼入のムラが生じ易いので温度管理、冷却方法等の注意が必要です。用途としては事務機、電気、機械等の構造部品やバネ、座金、クラッチ部品、トムソン刃、ベアリング部品等に使われています。 |
クロム |
SCM 415 |
クロムモリブデン鋼は代表的な構造用合金鋼で、焼入、焼戻を行なうことによって中程度の強度と粘り強さが得られる材料です。これらの素材は硬さも低く加工性に富んでいます。また合金成分の効果で焼入性がよく、多少冷却速度が遅くても焼が入り、歪の発生も少なくなります。 |
みがき特殊帯鋼は通常圧延された状態(圧延仕上またはロール仕上)のままで供給されていますが、弊社では、最も軟かい焼鈍仕上から最も硬い強圧延仕上まで、各種仕上状態のものを製作していますので、ご用途に最も適した仕上状態のものをお選びいただけます。
このように仕上状態は圧延の程度によって連続的に変わるものですが、便宜上、弊社では次表のように数種に大別して呼称しています。鋼種、寸法等によって多少の差異はありますが、一応の目安としてご利用下さい。
| 仕上状態 | 仕上圧延率 |
|---|---|
| 焼鈍仕上 | ―――(焼鈍のまま) |
| スキンパス仕上 | 5 % 以 内 |
| ロール仕上 | 15 ~ 40 % |
| 強圧延仕上 | 35 % 以 上 |
| 鋼 種 | 仕上状態 | 硬さ試験 | 引張試験 | |
|---|---|---|---|---|
| HV | 引張強さ N/mm2 | 伸び% | ||
| TE 2 SK 2 |
焼鈍仕上 |
170 ~ 210 | 520 ~ ~685 | 20 ~ 32 |
スキンパス仕上 |
190 ~ 230 | 570 ~ ~715 | 10 ~ 28 | |
ロール仕上 |
250 ~ 290 | 735 ~ 980 | 2 ~ 15 | |
強圧延仕上 |
280 ~ 320 | 835 ~ 1080 | 1 ~ 3 | |
| SK 4 TNS 4 |
焼鈍仕上 |
160 ~ 200 | 490 ~ ~645 | 24 ~ 35 |
スキンパス仕上 |
175 ~ 215 | 540 ~ ~695 | 12 ~ 32 | |
ロール仕上 |
245 ~ 285 | 725 ~ ~970 | 2 ~ 15 | |
強圧延仕上 |
270 ~ 310 | 825 ~ 1040 | 1 ~ 4 | |
| SK 5 SKS 51 |
焼鈍仕上 |
150 ~ 190 | 460 ~ ~625 | 26 ~ 37 |
スキンパス仕上 |
170 ~ 210 | 510 ~ ~685 | 15 ~ 35 | |
ロール仕上 |
240 ~ 280 | 725 ~ ~930 | 3 ~ 16 | |
強圧延仕上 |
260 ~ 300 | 805 ~ 1000 | 1 ~ 5 | |
| SK 6 S 70 C |
焼鈍仕上 |
145 ~ 185 | 440 ~ ~615 | 27 ~ 38 |
スキンパス仕上 |
160 ~ 200 |
490 ~ ~665 |
15 ~ 35 |
|
ロール仕上 |
235 ~ 275 |
715 ~ ~920 |
3 ~ 16 |
|
強圧延仕上 |
255 ~ 295 |
795 ~ ~990 |
1 ~ 5 |
|
SK 7 |
焼鈍仕上 |
140 ~ 180 |
410 ~ ~610 |
28 ~ 39 |
スキンパス仕上 |
155 ~ 195 |
460 ~ ~655 |
16 ~ 36 |
|
| ロール仕上 | 230 ~ 270 | 705 ~ ~900 | 3 ~ 17 | |
| 強圧延仕上 | 250 ~ 290 | 775 ~ ~970 | 1 ~ 5 | |
| SKS 2 | 焼鈍仕上 | 190 ~ 230 | 615 ~ ~715 | 20 ~ 30 |
| 強圧延仕上 | 280 ~ 320 | 835 ~ 1080 | 1 ~ 3 | |
| SKS 7 | 焼鈍仕上 | 200 ~ 240 | 645 ~ ~735 | 20 ~ 28 |
| 強圧延仕上 | 300 ~ 340 | 880 ~ 1125 | 1 ~ 3 | |
| SCM 415 | 焼鈍仕上 | 125 ~ 165 | 335 ~~ 540 | 28 ~ 50 |
| 強圧延仕上 | 200 ~ 240 | 655 ~735 | 1 ~ 8 | |
〔注〕 引張試験片は圧延方向よりとったJIS 6号試験片によります。
概要
みがき特殊帯鋼は通常切断、打抜き、曲げ、絞り等のさまざまな加工が施されて使用されていますが、弊社では各種材料を使用・用途に合わせて吟味製作しています。前記の仕上および機械的性質や次の事項等ご参照の上御用命下さい。
曲げ
- 軽い曲げ加工の場合は圧延仕上のものが使われることもありますが、通常焼鈍仕上、またはスキンパス仕上のものが使用されています。
- 帯鋼は一般に方向性があり特に圧延仕上のものは、方向性が強いので圧延方向に平行な曲げは避け、できるだけ圧延方向に直角または交叉するような曲げができる板取りを考える必要があります。
- 切断、せん断加工後かえりが曲げ外面に出るような曲げ加工を行ないますと、かえり部からきれつが入ることがありますので、かえり部を曲げ内面にするとか、かえり取りの後に曲げ加工を行なう等の配慮が必要です。
- 曲げ加工の際、材料のスプリングバックは加工の程度、材料の仕上状態によっても異なりますが、型、加工法により適当な補正が必要です。
- 曲げ加工性は材質、加工条件により異なりますが、仕上状態別におよそ次の程度の加工が可能です。(主としてSK5以下の低炭素鋼を対象とします)
仕上状態 |
厚 さ 1 mm 未 満 |
厚 さ 1 mm 以 上 |
|---|---|---|
焼鈍仕上 |
|
|
スキンパス仕上 |
|
|
圧延仕上(軽度) |
|
|
絞り
- 絞り加工は、軽度のものは別として通常全方向に対する均一な絞り性が必要されるため、焼鈍仕上またはスキンパス仕上のものが使用されています。
- みがき特殊帯鋼は軟鋼のような著しいストレッチャーストレイン現象はありませんが、絞り限界は低目で、深絞りの場合は中間焼鈍を施して再絞りを行ないます。
- 普通平板絞りの場合: 絞り率=0.4 再絞りの場合: 絞り率=0.6とされています
- 絞り率= d ……絞られる製品の直径
- D……絞る前の円板の直径
- DB……材料の引張強さ
- P=πdtσBm
- y……板厚
- m……補正係数(普通0.4~1.0)
[参考]絞り力概算式(丸絞り)
概要
みがき特殊帯鋼は、殆どすべてのものが用途に応じ適当な焼入焼戻等の熱処理を施して使用されています。この熱処理で重要な点は、以下の通りです。
切断、せん断、打抜き
これらの加工では一般的にだれ、かえりが少なく断面の美麗さ、均一性が要求されますので、圧延仕上・強圧延仕上のものが最も多く使用されています。
せん断面を多くするため軽い圧延仕上のものを使用したり、クリアランス(すきま)を狭くしたりまたは曲げ・絞り等の加工を組み合わせて行なうために、軟質仕上のものを加工する場合は、だれ、かえりが出やすくなります。
- クリアランスは板厚の5?10%が普通ですが材質、仕上状態、加工条件等により適当な値を選ぶ必要があります。
〔参考〕せん断力概算式(打抜き
P=ltS |
l…せん断長さ | t…板厚 |
S…せん断抵抗(約0.8×材料の引張強さ) |
||
曲げ
- 適正な条件で均一な加熱、冷却を行なうこと
- 脱炭、スケール生成、高温腐食等を極力防ぐこと
- 焼入歪を最小にするような焼入法をとること
炉温と材料温度
一般に熱処理を行なう場合、熱処理炉の炉温を測定し、それを材料加熱温度としていますが、真の材料温度と測定炉温との間に大きいズレやムラを生ずることがありますので、温度特性をよく調べて適当な温度補正や熱処理法の変更を行なう必要があります。
前処理と雰囲気
みがき特殊帯鋼は、高炭素になるほど脱炭しやすく、特に焼入のような高温加熱の場合は危険が増大します。また、材料に汚れや異物が付着したまま加熱しますと高温焼付や高温腐食が生じます。このため熱処理にさきだって、材料表面を清浄にする前処理や炉内雰囲気を調整することが必要です。
炉内雰囲気として標準的なものは焼入にはRXガス、焼鈍にはNXガスですが、この他N2ガス、H2ガス、AXガス等も使われています。(雰囲気ガスは用語の解説参照)
また中性塩浴炉、金属浴炉や炉心管、ケース等を使用して直接外気に触れないようにする方法もとられています。
焼入
| 鋼種 | 焼入温度(℃) | |
|---|---|---|
| TE 2 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK 4 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK 5 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK 6 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SK 7 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| TNS 4 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| M 2 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SKS 51 | 790~850油冷(760~820水冷) | |
| SKS 2 | 830~880油冷 | |
| SKS 7 | 830~880油冷 | |
| S 70 C | 790~850油冷 | |
| S 60 C | 800~860水冷 | |
| S 55 C | 800~860水冷 | |
| S 50 C | 800~860水冷 | |
| S 45 C | 800~860水冷 | |
| S 15 C | 800~860水冷 | |
| SCM 415 | 1次 | 2次 |
| 850~900油冷 | 800~850油冷 | |
焼入には、通常上記準備焼入温度のほぼ中心値を選んで材質、寸法、形状、要求される性能、焼入方法等に応じ数十秒ないし数分間保持します。
焼入条件は製品性能に大きく影響し焼入温度が高すぎたり、保持時間が長すぎたりしますと結晶粒の粗大化や靱性の低下をきたし、また脱炭の危険も増えますし、逆の場合は完全に硬化しなかったり、一部軟点を生じたりしますので適正な条件を選ばなければなりません。
冷却には一般に油または水が用いられます。水冷の方が油冷よりも硬く焼が入りますが焼入歪、焼われ等の危険があるため、みがき特殊帯鋼の場合は一部特例を除き、油冷が採用されています。焼入歪を防止するため油温を高めてマルテンパー処理を施したり、特殊な例では塩浴、金属浴中への焼入(オーステンパー処理)も行なわれています。
またリボン状の材料や単純な形状の場合は、定盤焼入やプレスクエンチング等が行なわれています。代表的な鋼種の焼入特性は次図の通りです。
焼戻
焼入を行なった材料は、要求される硬度がどのように高い場合でも、必ず焼戻を施さなければなりません。焼戻条件は、夫々の製品が要求する性能に応じ、テストやその鋼種の焼入焼戻性能曲線等を参考にして選びます。
みがき特殊帯鋼の場合、質量が小さくまた連続的な焼戻作業が行われることが多いので、焼戻時間としては特に粘り強さを必要とする場合に長時間焼戻を行なうこともありますが、一般には数分以内の短時間焼戻を行なっている場合が多いようです。また連続作業上、短時間しかとれない場合、焼戻温度をやや高目にしたり繰り返し焼戻を行なうこともあります。
しかし焼戻は、原則として高温短時間で行なうより低温長時間で行なう方が靱性が大きくなりますので、必要以上に焼戻炉を短かくしたり、焼戻温度を高くしすぎたり、時間を短かくしたりすることは避けなければなりません。
また油浴、金属浴、塩浴等により焼戻を行なう場合は、空中焼戻よりも時間を短縮することができます。
代表的な鋼種の焼入焼戻特性は次図の通りです。
代表的鋼種の焼入焼戻性能曲線

焼鈍
材料の軟化や歪取りのため焼鈍を行なうことがありますが、この焼鈍温度としては600~700℃が適当です。温度が高すぎると組織が変化したり脱炭やスケール発生の危険が生じますので、一般にはやや低目の温度を選んだ方が無難です。保持時間は数分ないし30分位保持して徐冷しますが、徐冷は200℃位まで行ない、それ以下は放冷しても差し支えありません。








